フラスコの中の僕

これは、ある装置によって同性同士での子供を望めるようになり日本もその装置によって生まれた子供を家族と認めそして同性同士での結婚を許可した世界である。











『… この希望は、二人の友人のために研究した結果である。』



この言葉は、その装置を作ったアメリカ在籍チームのリーダーである日本人衛藤匠馬(えとうたくま)が記者会見時に発した言葉だった。



prayerconnect(祈りを繋げる)と名付けられた装置は瞬く間に話題になり国との交渉の末ついに日本の憲法改正に至ったのである。



内容は実にシンプルだ。

二人の人間の遺伝子を分解し二つに分ける(この時優性劣性遺伝子の違いが出るがそこら辺の難しい事情はこの記事には書かれていない。)

そして人工受精と似たように一つの細胞として創るのだ。

ここからが難しいのだが人間の女性と同じ状態を作り出すのをかなりてこずったと記事には書かれていた。

そして、普通に生まれた赤ん坊のように大人になり老衰するまでにするのにかなりの年月を重ねたと書かれていた。

そうして衛藤匠馬36歳の時に臨床実験が行われた。

そのとき選ばれたのは彼の友人二人である。

(個人の事情により名前は非公開となっている。)

そうしてそれは成功した。半分であるが…生まれた赤ん坊がこれから普通に生まれた赤ん坊のように大人になり老衰するまで完全な成功とは言えなかった。



赤ん坊の成長は逐一報告されそしてだいたい日本の寿命でその生涯を終えた。





この物語はそれから10年後の世界である。

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