永遠を巡る刻の果てには、


『彼の人が注いだ万斛(ばんこく)の涙が、この世界の始まりだった』

 始まりの書。この世界を記す歴史書に、その一節が刻まれている。
 “時”の魔術師によって支配された世界を救った男が、平和の為に流した涙だという。
 歴史的英雄、レイソルト。魔術師と同じ“時”の力を有した彼の手により、人々の未来が取り戻された。

 セイスはそんな歴史の英雄譚に憧れる、16歳を迎えたばかりの少年である。
 安全だけが保証される小さな農村で外の世界に憧れを抱きながら、彼は毎日変わり映えのない空を仰いでいた。
 そんな彼の村に迷い込んだ一人の少女ミルフィとの出会いで、セイスの人生は大きく流転する。

 憧れだった筈の世界の歴史、時を巡る世界の英雄。
 セイスは他の時代を生きる人々と出会い、“時”というものの偉大さと残酷さを知る。
 その果てに知ることになる、信じて疑いもしなかった歴史の真実を知った時。

 少年は、一体何を思うのだろうか。


〈そんな少年セイスが歩む、長い長い冒険譚の始まり〉

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