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さくら、逃げる

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 さくらともかは少しだけ喜びの余韻に浸った後、真っ白なうさぎたちから逃れるために走り始めた。

「ええいっ!動物達!!その小娘と犬公を捕まえてしまえっ!!」

 真っ白なうさぎさんの叫び声に合わせて、ライオンやヒョウなどの肉食獣をはじめとした動物たちが、さくらたちのことを追いかけてき始めた。ものすごいスピードだが、直線的に走ってきているが故に色々なものにぶつかって、多くの数がダウンしていっている。

「まけた!?」
「ま、まだっ!!」

 もかの叫び声に、さくらは後ろを振り向いた後に大きな叫び声を返す。

「子犬がいるわ!!」

 さくらの視線の先、そこにはあり得ないほどに大きな、体調2メートルくらいの子犬がいたのだ。犬好きのさくらは、その犬がラブラドールレトリバーであることに当たりをつけながらも、困り果てて走り続ける。こういう時でなければ、さくらは大きいけれどとても可愛いラブラドールレトリバーにメロメロになっていたことだろう。
 視界の先に、紫色の木々が生えたいかにも毒の森にしか見えない森が現れた。さくらは一瞬だけ怯んだ後、もかと頷き合って森に突入した。大きな子犬は森が怖いのか、森の中までは追いかけてこなかった。そのことに安堵しながら、さくらはもかと共にふっと息をついた。

「な、なんとも毒々しい森だね。食べただけでばたんきゅーしそうだよ」
「そうね。絶対に食べちゃダメよ?もか」
「わ、分かってるよ」

 てくてくと紫色の地面の上を歩いていると、赤い笠に青い斑点が浮かんでいるきのこの上で大きな虹色のイモムシに出会った。

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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