鏡にうつる私に女性が話しかけてくる！双子の姉への嫉妬心を持つ私の心を読み取るあなたは誰？

鏡に映る私に女性が話しかけてくる！双子の姉への嫉妬心を持つ私の心を読み取るあなたは誰？

鏡に映る私。
ああ、なんてかわいいのかしら・・・
血を分けたお姉様よりも、お母様よりも美しいんだわ。
こんな私も今年で20歳。
成人式を迎えるの。
式には着物を着る？それともドレスを着て行く？
どんな服装を選んでも、きっと男達が寄って来て、私に惚れるんだわ。
わかってる。
あたしにはそんな魅力があるってことを。
「ああ、神様！どうしましょう。28歳でも独身のお姉様より早くに結婚するようなことになったら」
お姉様は怒るかしら？

ま、私の方がお姉様よりもすべてにおいて勝っているのだから、太刀打ちできないわよね。
そう鏡に向かって呟くと、「なにを言っているの？あなたはお姉様には勝てないのよ」と言ってきた。
「ええ！？なに？鏡が私に向かって話しかけてきたわ！」驚いた拍子に鏡を落としてしまい、真ん中から真っ二つに割れてしまった。
すると、私の顔は驚くほど醜くなってしまった。
「キャーッ！！ど、どうして？どうしてこんなに顔が醜くなってしまうの！？」
「どうしてって？そりゃああなたが鏡だけではなく、血を分けた本当の姉に憎しみを抱いているからだわ」
「憎しみなんてないわ！ただ、お姉様が羨ましいだけよ」
「どうして？そんなに恵まれた美貌を持っているというのに、どうしてお姉様が羨ましいのかしら？さては嫉妬しているのね」
「嫉妬？このあたしが？まさか！あんなたいして美しくもないお姉様に嫉妬なんてするわけがないじゃない」
「でも、あなたの心中は穏やかではない。なぜなら、お姉様にはそれはそれは素敵な婚約者がいるから」
「・・・」
「当たりね。そんなにたいした美貌もないお姉様にどうしてイケメンの婚約者がいるのかしら？」
「知らないわ！そんなこと」
「知らない？本当かしら？お姉様の心が美しい人だってことを知っているでしょう」
「だからなに？心が美しければイケメンと付き合えるっていうの？そんなバカげたことってないわ！」
「バカげてるのはあなたよ。家族に嫉妬して、なにをそんなにイラついてるの？自分の美貌に自信があるのなら、構えていればいいじゃない」
「できないわ！そんなこと。だって、お姉様の婚約者は、婚約者は・・・」
「あなたの初恋の人だものね」
「！」
「あなたの思っていることはすべてお見通しよ」
「ふん！あんたなんてただの鏡じゃない！私の心が読めるなんて嘘だわ！」

その時だった。
鏡がブルブル震えだした。
そして、ピカッと光ったかと思うと「キャーッ」私は顔を抑えて地面に突っ伏した。
「痛い、痛い」
自分の顔を鏡で見れば、とても醜い顔になっていた。
「なに？なんなのよこれ！」怒りに震える私は鏡を壁に思い切り投げつけてしまう。
パリンッ！！
鏡は割れてしまった。
「さあ、これであなたは二度と鏡を見れなくなったわね。その顔で生きなさい」そう聞こえてくる。
「嫌！やめて！元の顔に戻して！」地面を這いつくばって鏡を手にすると、鏡に向かってそう叫んだ。
「割れてしまったものを元のように戻すのはそう簡単ではないのよ。あなたがた姉妹のようにね」
「お願い！元に戻して！お姉様に嫉妬などしないから！」と叫んだが、すでに鏡はただの鏡になっていた。
「ああ、どうしましょう。お姉様！助けてください！」と叫んだ。
すると、壁に仕組まれたドアの中から母親が出てきて、私を優しく抱きしめた。
「お、お母様！」
「もうお姉様に嫉妬するのはおよしなさい。あなたが憎む心を持つ姿が悲しくて堪らないの。どうかその心を捨てて、仲良くして」
母が流す涙は、私の頬にポタリと落ちたとき、心が明るくなった。
「ああ、お母様！私が間違っていました。お姉様にも謝りたい」

それからというもの、私たち家族は仲良く暮らしたのでした。