素直クールな雪乙女は最強の種がほしい。
ヘルトゥルタンと呼ばれる雪国を取り囲む寒山にはルミニュイ族という一族が暮らしていた。
ルミニュイ族の娘、ヴィティはとある目的でヘルトゥルタンに訪れた。その国では定期的に大規模な武道大会が開催されておりロンシャオという青年が優勝者となる。
その試合結果を見届けたヴィティは優勝者であるロンシャオにあるお願いをする。
「あなたの種が欲しいの」
「………………は?」
とんでもない事を告げられ固まるロンシャオに強い男の遺伝子が欲しいと話すヴィティ。
ロンシャオは遠方からやって来たため何も知らなかったがルミニュイ族は女性しか生まれないため年頃になると山を降りて他所の男の種を貰い子を産む風習があったのだ。
「ああ、別に恋人や夫婦とやらになりたいわけではないの。子育ては一族皆でするから。認知しなくてもいい」
「は……?」
「種だけちょうだい。胎に出すだけでいいわ」
「しょ、初対面の人間に何を言っているんだお前はー!?」
直球かつ即物的すぎるヴィティにロンシャオは驚愕&ドン引き。
彼の知る一般的な男女の仲について説明するものの情よりも効率重視なヴィティにとってそれは理解出来ないものであった。
「……困ったわ。私、あなたがいいのに」
「何故だ。お前は俺のことなんて何も知らないだろう」
「そうね。でもあなたを一目見た時からあ、この人の種が欲しいって思ったの。直感と言うのかしら。そしたらあなたは数ある実力者の集う大会で見事に優勝した。これが運命とやらではないのかしらと思ったのだけれど……」
「……よくそんな恥ずかしい事が言えたものだ」
「恥ずかしい? 何故? 優れた雄の遺伝子が欲しいと思うのは種としての本能ではなくて?」
「だから! そういうところだ!」
一度は拒否されたものの心から惹かれた相手を諦めきれなかったヴィティは提案する。
恋について教えてほしいと。そして自分を好きになって欲しいと。
素直クールに迫るヴィティにロンシャオは抗いきれず彼にとっての一般的な恋愛について教える約束を交わしてしまうのだった──。
本作は生真面目ツンデレ武人と素直クール雪乙女のラブコメディロマンスです。
※ヴィティの当初の目的が子作りなのでR15くらいの 性的な話題や言動、下ネタが含まれます
※人によって残酷な描写が終盤にあるのでタグをつけました
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