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16、宮廷鍛治職人と追放魔王1
しおりを挟む「よーし、んじゃま、張り切って作りますか!!」
私はチェルシーとの話し合いの次の日、武器研究棟の宮廷鍛治職人が仕事している場所に来た、魔法鉄を作るためだ。
小一時間作業してできた素材達、早くチェルシーに渡してしまおう、首を長くして待っているはずだ。
「な、なぁ!ーーおめぇそれどうやって作るんだ!!?!」
「どわっ!!?!、え?、何?」
背の低く、ハンマー持ったドワーフに話しかけられる私、びっくりして素っ頓狂な声をあげてしまった。
「あーー、わりぃ、驚かせたな…オイラの名前はモストロ・ノーム、此処で宮廷鍛治職人をしている」
「私の名はイヴ、宮廷魔術師よ……….えっと作り方を教えろ……か、なら一緒に来てくれないかしら?」
「おうどこにでもついてってやるぜ!!?!、おめえさんのその鉄、見るだけでも格が違うってのがわかる、それの製法を教えてくれるならたとえ火の中水の中!!」
「OK、じゃあついてきて~」
ーーーーーーーーーー
「こっちが宮廷魔技師のチェルシー・ゴールド、んでこっちが宮廷鍛治職人のモストロ・ノーム」
「よろしく」
「おうよろしく……両手に華だなこりゃ、ガハハハハハハ!!」
二人に個別指導するのは面倒くさいので二人まとめて話す事にした。
「んで?、例のブツはどうしたの?」
「いや、それなんだけどさ……やっぱり私だけじゃ魔法鉄モドキを作るのが精一杯だし、折角作るなら上等なものを作りたいし、このメンバー全員で協力して作ろう!」
思いつきにしては中々の妙案を思いつく私、そのまま頭の中の原石を加工せず二人にぶつける。
「へ?、でも私何も知らないけど?」
「オイラもだぜ?」
「無知と無能は全く違うんだぜ?チェルシーの優秀は知ってるし、モストロさんーー」
「呼び捨ていいぜ、イヴ」
「んじゃあ、お言葉に甘えてーーーモストロだって見たところドワーフだし私達よりは鍛造技術は上だと思うのよ、餅は餅屋っていうし、技術は揃ってる………後は私がやり方を教えれば良いものができると思うの………そりゃ《カノンナックル》並のは直ぐにはできないけど、根気よくやればあれを越す事だってできるはず」
「あれを越すか~無茶苦茶な目標立てるな~、それにわざわざ私達に製造方法を教えた上にできるまで付き合ってくれるってすごいお人好しね?」
「今あるもので最高を目指すの当然っしょ」
「ガハハハハ、あんた魔術師にしとくの勿体ないくらいの鍛治職人向きな性格だなぁ~、どうだい俺と一緒に鉄に魂込める職業につかねぇか?、話が合いそうだ!」
やはり魔術師だろうが魔技師だろうが鍛治職人だろうが、何かを作る、何かを研究するというものは真面目にやればやるほどやりがいがある。
別分野の専門家同士だって熱量と沸点が合えば話は合うのだ。
「悪いわね~私、箸より重い物は持てないから~、魔術師って基本的に魔術に頼ってるもやしが多いし~」
「おいおい、見たとこあんた結構体鍛えるだろ?、嘘はよくねぇな」
「あら、思ったより良い目………でも悪いけど真面目にパスかな~」
「あら、フラれちゃったか~」
適当に流そうとするもモストロに体を鍛えてる事がバレる、結構な観察眼を持ってる事に驚嘆する私。
しかし魔法の方が好きなので鍛治職人になる気はサラサラない事を伝える。
「ま、たまに顔を出して遊ぶくらいなら良いわよ」
「おお!!、今はそれで十分だ!!ガハハ!!」
「………なんか疎外感を感じる」
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