花火の日、もう一度、君に恋をした
プロローグ「花火の夜の約束」
夏の夜。
黒崎咲(くろさき さき)は、家族と一緒に近所の夏祭りへ来ていた。
屋台から漂う甘い匂い。
夜空を照らす提灯。
遠くから聞こえる楽しそうな笑い声。
そして――
ドンッ!
大きな花火が夜空に咲いた。
「わあ……!」
思わず空を見上げた咲の隣に、一人の男の子が立っていた。
同じように花火を見上げている。
「……きれいだね」
男の子が小さく呟いた。
「うん!」
咲が笑うと、男の子も笑った。
「俺、神谷蓮」
「私は黒崎咲」
それが、二人の初めての出会いだった。
花火が次々と夜空に広がる中、二人は並んで座り、学校のことや好きな食べ物のことなど、たくさんの話をした。
初めて会ったはずなのに、不思議と話しやすかった。
祭りが終わりに近づき、蓮が立ち上がる。
「そろそろ帰らないと」
「……うん」
少し寂しくなった咲に、蓮が笑いかけた。
「来年も、ここで花火見ようよ」
「来年も?」
「うん。毎年、一緒に見よう」
咲は嬉しそうに頷いた。
「約束だよ」
二人は小指を絡めた。
「約束」
その夏の日から、咲にとって花火は特別なものになった。
けれど――。
数日後、蓮は父親の仕事の都合で、遠くの町へ引っ越すことになった。
「咲、また会おうね」
「うん……絶対だよ」
手を振りながら遠ざかっていく蓮を、咲はずっと見つめていた。
それから何年もの時間が流れた。
咲は高校生になった。
夏が来るたび、夜空に花火が上がるたび、あの日の約束を思い出す。
「……蓮、元気かな」
一方、遠くの町で暮らす蓮も、同じ夜空を見上げていた。
「咲……今も覚えてるかな」
二人はまだ知らない。
止まっていた二人の時間が、もう一度動き始めようとしていることを。
そして、あの日の花火の日に――。
二人はもう一度、出会う。
これは、幼い日の約束から始まった、二人の初恋と再会の物語。
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「来年も?」
「うん。毎年、一緒に見よう」
咲は嬉しそうに頷いた。
「約束だよ」
二人は小指を絡めた。
「約束」
その夏の日から、咲にとって花火は特別なものになった。
けれど――。
数日後、蓮は父親の仕事の都合で、遠くの町へ引っ越すことになった。
「咲、また会おうね」
「うん……絶対だよ」
手を振りながら遠ざかっていく蓮を、咲はずっと見つめていた。
それから何年もの時間が流れた。
咲は高校生になった。
夏が来るたび、夜空に花火が上がるたび、あの日の約束を思い出す。
「……蓮、元気かな」
一方、遠くの町で暮らす蓮も、同じ夜空を見上げていた。
「咲……今も覚えてるかな」
二人はまだ知らない。
止まっていた二人の時間が、もう一度動き始めようとしていることを。
そして、あの日の花火の日に――。
二人はもう一度、出会う。
これは、幼い日の約束から始まった、二人の初恋と再会の物語。
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