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第49話 次の予定
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「そうだね。しばらくは鍛錬の日にするのもいいと思うよ」
「ありがとうございます。すみません、その間サラさんを待たせることになっちゃいますよね」
サラさんは快く俺のお願いを聞いてくれたが、しばらくパーティとしての活動を休むことになる。
結成したばかりだというのに、すぐに休みたいというのも申し訳ない。
そう思って頭を下げると、サラさんは首を横に振る。
「いいや、私も一緒に行くよ」
「え、一緒に来てくれるんですか?」
「もちろんだよ。私たちはパーティだからね」
サラさんはそう言ってから、くすっと笑う。
「それに、最近はずっと鍛錬の日が続いていたからね。私としてはただいつも通りなだけさ」
そういえば、初めて会った時も訓練場にいたんだっけ。
エリさんも居場所はすぐに分かると言って訓練場に連れていってくれたし、それだけ長く訓練場に通い詰めていたのだろう。
無理しているようには見えないし、そういうことなら一緒に行動してもらってもいいかな。
「そう言ってもらえると嬉しいです。じゃあ、数日間はある程度大きな魔法を打っても問題のない所に行きたいです」
「うん、そうしようか。ソータの魔法は古代魔法だからね。威力を考えると、どこかの高原にでも行った方がいいかな」
サラさんはそう言うと、バッグから一枚の紙を取り出してそれを机の上に置いた。
そこには簡易的な地図が描かれていて、サラさんは現在地を指さしてから、その指を少し北に移動させてから止めた。
「少し遠いかもしれないけど、ヘリア高原の方はどうかな? 途中で乗り換えになるけど、乗り合いの馬車も出てたはずだよ」
「ヘリア高原ですか。確かに、あそこならある程度大きめの魔法を使っても問題ないかもしれませんね」
ヘリア高原というのは、魔物の数も多くはないのどかな場所だ。
民家への被害とか、騒音の心配もないし、魔法の練習で使うにはもってこいの場所だと聞いたことがある。
「それじゃあ、決まりだね。明日は馬車の停車場付近集合でいいかな?」
「はい、それでお願いします。ケルもそれでいいよね?」
なんだかケルが大人しいなと思って見てみると、ケルは食事を綺麗に食べ終えてお座りをして俺をじっと見上げていた。
ヘッヘッヘッという子犬のような息遣いをしながら、尻尾をいつもよりも控えめに振っている。
キラキラッとしている目と、皿まで綺麗に舐めたであろう食器。
そして、今にも涎でも垂らしそうな表情。
俺は口に運ぼうとしていたお肉を皿に置いて、小さく笑う。
「ケル、おかわりいる?」
俺がそう言うと、ケルはニパッと笑みを浮かべる。
「ぜひとも貰いたいものだ」
俺が店員さんにケルの分のおかわりを頼むと、ケルは俺の脚に体をスリスリとさせてくる。
「ふふふっ、さすがソータだ。何も言わずとも分かるとは、まさに以心伝心という奴だな」
「いやいや、さっきのケルの表情を見れば誰も分かるって」
俺が笑いながらそう言うと、ケルはそうか? と言って自覚なさげに首を傾げるのだった。
「ありがとうございます。すみません、その間サラさんを待たせることになっちゃいますよね」
サラさんは快く俺のお願いを聞いてくれたが、しばらくパーティとしての活動を休むことになる。
結成したばかりだというのに、すぐに休みたいというのも申し訳ない。
そう思って頭を下げると、サラさんは首を横に振る。
「いいや、私も一緒に行くよ」
「え、一緒に来てくれるんですか?」
「もちろんだよ。私たちはパーティだからね」
サラさんはそう言ってから、くすっと笑う。
「それに、最近はずっと鍛錬の日が続いていたからね。私としてはただいつも通りなだけさ」
そういえば、初めて会った時も訓練場にいたんだっけ。
エリさんも居場所はすぐに分かると言って訓練場に連れていってくれたし、それだけ長く訓練場に通い詰めていたのだろう。
無理しているようには見えないし、そういうことなら一緒に行動してもらってもいいかな。
「そう言ってもらえると嬉しいです。じゃあ、数日間はある程度大きな魔法を打っても問題のない所に行きたいです」
「うん、そうしようか。ソータの魔法は古代魔法だからね。威力を考えると、どこかの高原にでも行った方がいいかな」
サラさんはそう言うと、バッグから一枚の紙を取り出してそれを机の上に置いた。
そこには簡易的な地図が描かれていて、サラさんは現在地を指さしてから、その指を少し北に移動させてから止めた。
「少し遠いかもしれないけど、ヘリア高原の方はどうかな? 途中で乗り換えになるけど、乗り合いの馬車も出てたはずだよ」
「ヘリア高原ですか。確かに、あそこならある程度大きめの魔法を使っても問題ないかもしれませんね」
ヘリア高原というのは、魔物の数も多くはないのどかな場所だ。
民家への被害とか、騒音の心配もないし、魔法の練習で使うにはもってこいの場所だと聞いたことがある。
「それじゃあ、決まりだね。明日は馬車の停車場付近集合でいいかな?」
「はい、それでお願いします。ケルもそれでいいよね?」
なんだかケルが大人しいなと思って見てみると、ケルは食事を綺麗に食べ終えてお座りをして俺をじっと見上げていた。
ヘッヘッヘッという子犬のような息遣いをしながら、尻尾をいつもよりも控えめに振っている。
キラキラッとしている目と、皿まで綺麗に舐めたであろう食器。
そして、今にも涎でも垂らしそうな表情。
俺は口に運ぼうとしていたお肉を皿に置いて、小さく笑う。
「ケル、おかわりいる?」
俺がそう言うと、ケルはニパッと笑みを浮かべる。
「ぜひとも貰いたいものだ」
俺が店員さんにケルの分のおかわりを頼むと、ケルは俺の脚に体をスリスリとさせてくる。
「ふふふっ、さすがソータだ。何も言わずとも分かるとは、まさに以心伝心という奴だな」
「いやいや、さっきのケルの表情を見れば誰も分かるって」
俺が笑いながらそう言うと、ケルはそうか? と言って自覚なさげに首を傾げるのだった。
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