16 / 18
番外編
世間は狭い
しおりを挟む
ある日の放課後、ラ・レーヌ学園の植物研究室でリリーは植物の液浸標本を作っていた。
その時、使用するホルマリンが残り少ないことに気付くリリー。
(化学実験室にホルマリンをもらいに行かないといけないわね)
リリーはホルマリンの瓶を持ち、植物研究室を出て化学実験室に向かった。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
丁度その頃、化学実験室にて。
「ラファエル、そっちの合成はどんな感じ?」
オレリアンはフラスコを軽く振って化学反応を進めながら、隣にいるラファエルに聞く。
「こっちは反応物を冷却させたら終わるよ」
ラファエルはニッと笑い、フラスコを水と氷が入った桶に入れた。
「ありがとうラファエル、助かるよ。これで追加の論文も書けそうだ」
オレリアンはホッとしていた。
「ああ、オレリアン。僕も好きでやってることだからね」
「ラファエルは本当に興味の範疇広いよな」
屈託のない笑みを浮かべるラファエルに、オレリアンはそう感心していた。
どうやらオレリアンの研究をラファエルが手伝っていたようだ。
「後は合成した化合物を冷暗所に一晩置くだけだ」
ふうっ、と一息つくオレリアン。一段落着いたようだ。
その時、化学実験室の扉がノックされた。
オレリアンが「とうぞ」と扉に向かって言うと、「失礼いたしますわ」とリリーが入って来た。
「リリー嬢、どうしたんだい?」
「貴女が化学実験室に来るなんて珍しいな」
ラファエルとオレリアンは不思議そうに首を傾げている。
「植物研究室のホルマリンが残り少ないので、補充に参りましたの」
リリーは微笑み、空になりかけているホルマリンの瓶をオレリアン達に見せた。
「ああ、ホルマリンなら、一番右の薬品棚の上から三段目の所にある。少し待ってて」
オレリアンは薬品棚の鍵を開け、ホルマリンがなみなみ入っている瓶を取り出した。
「リリー嬢、そちらの瓶を貸して」
「どうぞ、オレリアン様」
オレリアンはリリーから植物研究室のホルマリン瓶を受け取り、なみなみ入っている化学実験室の大きなホルマリン瓶から注いだ。
「リリー嬢、向こうにある薬品使用ノートにどのくらいホルマリンをもらったか書いておいて」
「承知いたしました、ラファエル様」
「リリー嬢、これでいいかな?」
「はい。ありがとうございます、オレリアン様」
リリーはオレリアンからホルマリン瓶を受け取る。瓶の八割くらいまで入れられていた。そしてリリーはラファエルの指示に従い、化学実験室からホルマリンを貰った量を記入する。
ふとその時、少し前の昼休みにサラから聞いた言葉を思い出す。
『それに、オレリアン様のお母様だって、女大公閣下がまだ女王として即位なさっていた頃、薬学サロンのメンバーだったではございませんか。それに、私達が生まれる前に疫病の特効薬を開発して流行前に抑えることが出来たと』
リリーはオレリアンを見て少し考え込む。
(そういえば、お母様が仰っていたわ。共にナルフェック王国のヌムール公爵領で学んでいらした方が、昔流行った疫病の特効薬を開発なさったと。そのお方の名は確か……)
「リリー嬢? どうかしたのかい?」
オレリアンは不思議そうに首を傾げている。
「あ……申し訳ございません。実はオレリアン様のことで、少し気になることがございまして」
「俺のことで? 何一体かな?」
「正しくは、オレリアン様のお母様のことでございます。この前サラ様が仰っていた、疫病の特効薬を開発なさったという」
「ああ、なるほど。たまに母上のことは聞かれるよ。特に薬学に興味がある方々から。リリー嬢は植物学だけでなく薬学にも興味があるのかな?」
「いえ、そうではなくて……。オレリアン様のお母様のお名前はもしかして……クリスティーヌ様だったりします?」
「そうだけど」
「やっぱり……」
リリーはエメラルドの目を大きく見開いた。
「それで……俺の母上がどうしたんだい?」
オレリアンは怪訝そうな表情である。
「実は、私のお母様がナルフェック王国のヌムール公爵領で薬学を学んでいたのでございます。その時に、ご一緒だった方がクリスティーヌ様なのでございます。ですので、この前サラ様からオレリアン様のお母様が疫病の特効薬を開発なさったとお聞きして、もしかしてと思いましたの」
リリーはふふっと微笑んだ。
「リリー嬢……」
そこでオレリアンはハッとする。
「貴女のフルネームは、リリー・ベアトリス・モールバラ。そのベアトリスという名前は貴女のお母上から!?」
「左様でございますわ」
「そうだ、失念していた。ベアトリスという名前はこの国にもいるから特に気に留めなかったのだが……リリー嬢はネンガルド王国からいらしていたベアトリス様のご息女だったのか。母上からもたまにベアトリス様の話を聞いたことがある。勉強熱心で向上心があるお方だと」
オレリアンの表情はパアッと明るくなった。
「へえ、オレリアンとリリー嬢はお母上同士が知り合いだったんだね」
話を聞いていたラファエルは意外そうにペリドットの目を丸くした。
「ああ、そのようだ。世間は狭いと言ったものだね」
ハハッと笑うオレリアン。
「左様でございますわね。では、クリスティーヌ様と私のお母様以外にも薬学を学びに来られていたガーメニー王国の伯爵家のお方もご存知でございますか?」
「ああ、そのお方のことも母上から聞いている。ガーメニー王国からいらしていたのはリーゼロッテ様というお方だった」
するとそれを聞いたラファエルが「あ……」と声を上げた。
「ラファエル、どうかしたのか?」
オレリアンは不思議そうに首を傾げる。
「ねえ、もしかしてそのリーゼロッテというお方は……当時はリートベルク伯爵家のお方だった?」
「ええ、左様でございましたわ。今はガーメニー王国の侯爵家に嫁がれたみたいでございますが」
リリーはふふっと微笑んで答える。
「それ、僕の伯母上だよ。母上の生家がリートベルク伯爵家で、リーゼロッテ伯母様は母上の姉なんだ」
ラファエルはクスッと笑う。
「まあ……!」
リリーはエメラルドの目を見開いて驚いていた。
「本当に世間は狭いものだね」
明るく声をあげて笑うオレリアン。
その後、三人は少し談笑していた。
「そうだリリー嬢、ホルマリンを取りに来たってことは、もしかしてこれから実験だったのでは?」
オレリアンはリリーが持って来た植物研究室のホルマリン瓶を見て、思い出したように言う。
「左様でございましたわ。植物標本を作っている途中でございました」
リリーはハッと目を見開き思い出す。
「だったら僕がその瓶を植物研究室まで持って行くよ。サラ嬢から聞いたんだけど、リリー嬢は時々そそっかしいところがあるから、薬品を溢さないか少し心配だ」
ラファエルは悪戯っぽく笑う。
「お母様や婚約者からだけでなく、サラ様からもそう思われているのでございますね」
シュンと肩を落とすリリー。
「気にすることはないと思うよ。これから気をつけたら良いんだし」
ラファエルは明るく太陽のような笑みを浮かべている。
「あ、じゃあ俺も植物研究室まで行くよ。ナゼールとミラベル嬢も良い方向に変わっている。だからリリー嬢も大丈夫さ」
オレリアンはアメジストの目を優しく細めた。
「ありがとうございます」
リリーは気を取り直し、ふふっと微笑んだ。
三人は化学実験室を出て、植物研究室へ向かうのであった。
リリーの母、オレリアンの母、ラファエルの伯母の三人も仲が良いが、リリー、オレリアン、ラファエルの三人も仲良くなっていた。
その時、使用するホルマリンが残り少ないことに気付くリリー。
(化学実験室にホルマリンをもらいに行かないといけないわね)
リリーはホルマリンの瓶を持ち、植物研究室を出て化学実験室に向かった。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
丁度その頃、化学実験室にて。
「ラファエル、そっちの合成はどんな感じ?」
オレリアンはフラスコを軽く振って化学反応を進めながら、隣にいるラファエルに聞く。
「こっちは反応物を冷却させたら終わるよ」
ラファエルはニッと笑い、フラスコを水と氷が入った桶に入れた。
「ありがとうラファエル、助かるよ。これで追加の論文も書けそうだ」
オレリアンはホッとしていた。
「ああ、オレリアン。僕も好きでやってることだからね」
「ラファエルは本当に興味の範疇広いよな」
屈託のない笑みを浮かべるラファエルに、オレリアンはそう感心していた。
どうやらオレリアンの研究をラファエルが手伝っていたようだ。
「後は合成した化合物を冷暗所に一晩置くだけだ」
ふうっ、と一息つくオレリアン。一段落着いたようだ。
その時、化学実験室の扉がノックされた。
オレリアンが「とうぞ」と扉に向かって言うと、「失礼いたしますわ」とリリーが入って来た。
「リリー嬢、どうしたんだい?」
「貴女が化学実験室に来るなんて珍しいな」
ラファエルとオレリアンは不思議そうに首を傾げている。
「植物研究室のホルマリンが残り少ないので、補充に参りましたの」
リリーは微笑み、空になりかけているホルマリンの瓶をオレリアン達に見せた。
「ああ、ホルマリンなら、一番右の薬品棚の上から三段目の所にある。少し待ってて」
オレリアンは薬品棚の鍵を開け、ホルマリンがなみなみ入っている瓶を取り出した。
「リリー嬢、そちらの瓶を貸して」
「どうぞ、オレリアン様」
オレリアンはリリーから植物研究室のホルマリン瓶を受け取り、なみなみ入っている化学実験室の大きなホルマリン瓶から注いだ。
「リリー嬢、向こうにある薬品使用ノートにどのくらいホルマリンをもらったか書いておいて」
「承知いたしました、ラファエル様」
「リリー嬢、これでいいかな?」
「はい。ありがとうございます、オレリアン様」
リリーはオレリアンからホルマリン瓶を受け取る。瓶の八割くらいまで入れられていた。そしてリリーはラファエルの指示に従い、化学実験室からホルマリンを貰った量を記入する。
ふとその時、少し前の昼休みにサラから聞いた言葉を思い出す。
『それに、オレリアン様のお母様だって、女大公閣下がまだ女王として即位なさっていた頃、薬学サロンのメンバーだったではございませんか。それに、私達が生まれる前に疫病の特効薬を開発して流行前に抑えることが出来たと』
リリーはオレリアンを見て少し考え込む。
(そういえば、お母様が仰っていたわ。共にナルフェック王国のヌムール公爵領で学んでいらした方が、昔流行った疫病の特効薬を開発なさったと。そのお方の名は確か……)
「リリー嬢? どうかしたのかい?」
オレリアンは不思議そうに首を傾げている。
「あ……申し訳ございません。実はオレリアン様のことで、少し気になることがございまして」
「俺のことで? 何一体かな?」
「正しくは、オレリアン様のお母様のことでございます。この前サラ様が仰っていた、疫病の特効薬を開発なさったという」
「ああ、なるほど。たまに母上のことは聞かれるよ。特に薬学に興味がある方々から。リリー嬢は植物学だけでなく薬学にも興味があるのかな?」
「いえ、そうではなくて……。オレリアン様のお母様のお名前はもしかして……クリスティーヌ様だったりします?」
「そうだけど」
「やっぱり……」
リリーはエメラルドの目を大きく見開いた。
「それで……俺の母上がどうしたんだい?」
オレリアンは怪訝そうな表情である。
「実は、私のお母様がナルフェック王国のヌムール公爵領で薬学を学んでいたのでございます。その時に、ご一緒だった方がクリスティーヌ様なのでございます。ですので、この前サラ様からオレリアン様のお母様が疫病の特効薬を開発なさったとお聞きして、もしかしてと思いましたの」
リリーはふふっと微笑んだ。
「リリー嬢……」
そこでオレリアンはハッとする。
「貴女のフルネームは、リリー・ベアトリス・モールバラ。そのベアトリスという名前は貴女のお母上から!?」
「左様でございますわ」
「そうだ、失念していた。ベアトリスという名前はこの国にもいるから特に気に留めなかったのだが……リリー嬢はネンガルド王国からいらしていたベアトリス様のご息女だったのか。母上からもたまにベアトリス様の話を聞いたことがある。勉強熱心で向上心があるお方だと」
オレリアンの表情はパアッと明るくなった。
「へえ、オレリアンとリリー嬢はお母上同士が知り合いだったんだね」
話を聞いていたラファエルは意外そうにペリドットの目を丸くした。
「ああ、そのようだ。世間は狭いと言ったものだね」
ハハッと笑うオレリアン。
「左様でございますわね。では、クリスティーヌ様と私のお母様以外にも薬学を学びに来られていたガーメニー王国の伯爵家のお方もご存知でございますか?」
「ああ、そのお方のことも母上から聞いている。ガーメニー王国からいらしていたのはリーゼロッテ様というお方だった」
するとそれを聞いたラファエルが「あ……」と声を上げた。
「ラファエル、どうかしたのか?」
オレリアンは不思議そうに首を傾げる。
「ねえ、もしかしてそのリーゼロッテというお方は……当時はリートベルク伯爵家のお方だった?」
「ええ、左様でございましたわ。今はガーメニー王国の侯爵家に嫁がれたみたいでございますが」
リリーはふふっと微笑んで答える。
「それ、僕の伯母上だよ。母上の生家がリートベルク伯爵家で、リーゼロッテ伯母様は母上の姉なんだ」
ラファエルはクスッと笑う。
「まあ……!」
リリーはエメラルドの目を見開いて驚いていた。
「本当に世間は狭いものだね」
明るく声をあげて笑うオレリアン。
その後、三人は少し談笑していた。
「そうだリリー嬢、ホルマリンを取りに来たってことは、もしかしてこれから実験だったのでは?」
オレリアンはリリーが持って来た植物研究室のホルマリン瓶を見て、思い出したように言う。
「左様でございましたわ。植物標本を作っている途中でございました」
リリーはハッと目を見開き思い出す。
「だったら僕がその瓶を植物研究室まで持って行くよ。サラ嬢から聞いたんだけど、リリー嬢は時々そそっかしいところがあるから、薬品を溢さないか少し心配だ」
ラファエルは悪戯っぽく笑う。
「お母様や婚約者からだけでなく、サラ様からもそう思われているのでございますね」
シュンと肩を落とすリリー。
「気にすることはないと思うよ。これから気をつけたら良いんだし」
ラファエルは明るく太陽のような笑みを浮かべている。
「あ、じゃあ俺も植物研究室まで行くよ。ナゼールとミラベル嬢も良い方向に変わっている。だからリリー嬢も大丈夫さ」
オレリアンはアメジストの目を優しく細めた。
「ありがとうございます」
リリーは気を取り直し、ふふっと微笑んだ。
三人は化学実験室を出て、植物研究室へ向かうのであった。
リリーの母、オレリアンの母、ラファエルの伯母の三人も仲が良いが、リリー、オレリアン、ラファエルの三人も仲良くなっていた。
13
あなたにおすすめの小説
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる