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《313》壊れる
しおりを挟む全身の毛穴が開くような快楽に吐息をこぼす。
いつの間にか、頑丈な指を二本も飲み込んだ孔は、時折痙攣に似た動きをしてみせる。
「あ·····っ?♡」
中指が、更に深くを侵食してゆく。
へその裏側を指圧される。
全身に冷や汗が浮かび上がった。
「あっ」
トン、トン、と、腹の中央をノックされる。
理解が追いつくより先に視界がとろけた。
想像したこともなかった行為だ。
驚くほど長い指が、剣を持つ男らしい手が、暴力的でしかし器用である万能の身体が、こんなことに行使されるなんて、あって良いのだろうか?
「いや、あっ♡」
体の奥深くを、直接他人に触られている。
首を振るが、彼の指は最奥でしつこく振動を続けた。
どのくらい経っただろうか。
やっと指が抜けてゆく頃には、彼が離れていった肉壁が、じんじんと疼いていた。
イアードは休むこと無く浅い部分を弄くり回した。
「や·····♡ぁん·····♡」
さっきの、少し苦しい快感が忘れられない。
舐め回された乳頭はピンと立ち上がっていた。
ノワはそれをイアードに擦り付けながら、腰をくねらせた。
(体の奥、切ない·····)
とうとうへたりこむ。
頭上を覆った影が近づいてきて、唇を塞ぐ。
何度も果てたはずなのに、身体の熱はくすぶったままだ。
ノワはベットに押し倒された。
「へっ」
腰を掴んだ両手が、スルスルと尻まで伸びてゆく。
そして、内腿を鷲掴みした。
「あっ♡」
強い刺激を与えられると、散々快楽を教えこまれた内側が、ねじれるように痛んだ。
「へ··········っ?」
両足を押し広げられる。
まさか。
そう予期した時には、ノワは既に彼の前で股を開かされていた。
「あ·····だめ·····っ」
腕をのばし肛門を隠そうとするが、指先しか届かない。ずっしりとした重圧が、とろけた入口に食い込む。
「まって·····」
嫌だったからじゃない。
惨めになりたくなかったからだ。
これ以上乱されたら、何かが壊れてしまう気がした。
そして彼は、この事すら忘れてしまう。
「嫌か?」
しっとりと濡れて、涼しい声が聞こえた。
ノワは驚いて相手を見上げた。
「·····へ·····?」
冴えた視線がノワを貫いていた。
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