学校一の王子様は、私の前でだけ七点です。 ~放課後、祖母の書道教室で彼の素顔を添削しています~
学校一の王子様に、七点をつけた。
――もちろん、百点満点で。
高校二年生の桜庭結衣は、人から頼まれると断れない普通の女子高生。
そんな彼女の祖母が営む小さな書道教室へ、ある日とんでもない生徒がやって来る。
神崎蒼真。
成績優秀。
運動もできる。
先生からの信頼も厚く、女子たちからは「王子様」と呼ばれる学校一の人気者。
何をやらせても完璧。
――ただし、書道だけは驚くほど下手だった。
初めて書いた一文字を見た結衣は、容赦なく朱筆を入れる。
「七点」
「……百点満点?」
「百一点は存在しないから」
学校では誰もが彼を褒める。
失敗しても、
「神崎君なら大丈夫」
「さすが神崎君」
と笑ってくれる。
けれど結衣だけは違った。
下手なら下手と言う。
格好をつければ減点する。
無理をして笑っていれば、それすら字から見抜いてしまう。
そして蒼真もまた、結衣の前でだけ少しずつ「完璧な王子様」をやめていく。
「みんな、百点しかくれないから」
七点をつけられたのに、なぜかうれしそうに笑う彼。
放課後。
墨の匂いがする小さな書道教室。
学校では見せない素顔を知るたび、
結衣の中でも彼の存在が少しずつ変わっていく。
ところが、学校一目立つ男子が毎週女子の家へ通っているとなれば、当然何も起きないはずもなく――。
「今日、一緒に帰ろう」
ちょっと待って。
学校では目立たないようにしてって言ったよね?
これは、
誰からも百点を求められてきた王子様と、
誰かの期待に応えることばかり考えてきた女の子が、
書道を通して少しずつ「自分のままでいること」を覚えていく物語。
そしていつしか彼にとって、
百点よりも大切な点数ができる。
――私の前では、七点くらいでいて。
――もちろん、百点満点で。
高校二年生の桜庭結衣は、人から頼まれると断れない普通の女子高生。
そんな彼女の祖母が営む小さな書道教室へ、ある日とんでもない生徒がやって来る。
神崎蒼真。
成績優秀。
運動もできる。
先生からの信頼も厚く、女子たちからは「王子様」と呼ばれる学校一の人気者。
何をやらせても完璧。
――ただし、書道だけは驚くほど下手だった。
初めて書いた一文字を見た結衣は、容赦なく朱筆を入れる。
「七点」
「……百点満点?」
「百一点は存在しないから」
学校では誰もが彼を褒める。
失敗しても、
「神崎君なら大丈夫」
「さすが神崎君」
と笑ってくれる。
けれど結衣だけは違った。
下手なら下手と言う。
格好をつければ減点する。
無理をして笑っていれば、それすら字から見抜いてしまう。
そして蒼真もまた、結衣の前でだけ少しずつ「完璧な王子様」をやめていく。
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七点をつけられたのに、なぜかうれしそうに笑う彼。
放課後。
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ところが、学校一目立つ男子が毎週女子の家へ通っているとなれば、当然何も起きないはずもなく――。
「今日、一緒に帰ろう」
ちょっと待って。
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誰からも百点を求められてきた王子様と、
誰かの期待に応えることばかり考えてきた女の子が、
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そしていつしか彼にとって、
百点よりも大切な点数ができる。
――私の前では、七点くらいでいて。
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