婚約者が浮気していたことを、婚約破棄の夜会で初めて知った人がいました。私以外の全員が

婚約者の浮気を、半年間、黙っていた。
誤って届いた一通の手紙を、引き出しにしまったまま。

怒りも、悲しみも、全部、その中に閉じ込めて。

穏やかに微笑みながら、ただ待った。
そして婚約破棄の夜会で、マリアは静かに封筒を取り出した。

「ところで皆様、一つだけご報告がございます」

広間が、凍りついた。
「一通だけでございますが」

「十分でございます」



大人しいだけで、無能ではありませんでした。
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