その杯に葡萄酒を
陸国の酪農地域と鉱業地域を隔てる大通り。その少し奥まったところには 夕食を提供するための食堂と、その食堂に隣接している一軒の酒場がある。他とは違う、独特な雰囲気が漂う酒場だ。隣接する食堂の方の常連である黒髪の男『夾(こう)』は理由も分からないままその酒場に心惹かれていたのだが、その独特な雰囲気の中に踏み込めるだけの勇気は持つことができず、いつも食堂の方から酒場の様子を気にしているだけだった。
きっとこの先もずっとこのままだろう。
そう思っていた『夾(こう)』だったのだが、ある日の出来事を境にすべてが変わり始める。
「あいつらのことを悪く言うなら…許さないからな」
「っ…!」
酒場の主たる『赤銅色の髪の男』の瞳に射抜かれ、やがて『夾(こう)』はそれまでに感じたことのない感情に深く取り込まれていく…
きっとこの先もずっとこのままだろう。
そう思っていた『夾(こう)』だったのだが、ある日の出来事を境にすべてが変わり始める。
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「っ…!」
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