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戦争蹂躙編

蹂躙の日

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回収終了っと」 

 俺は1度に何万ものを回収した。細かくすると何十万もの達だ。まぁ、生きている人間や魔物・魔人は全員押し潰されて死んで、死体となればアイテムボックスの中に入る。直径数十キロメートルの壊れないロードローラーが音速を超えた速度で空から降ってくる。そんな感じ。逃げ場も無ければ防ぎようも無い。

 魔法・固有能力等で防ごうと咄嗟とっさの判断ができたものもいた。だが、アイテムボックスの前では無意味。魔法はアイテムボックスに収納出来ないため弾かれ、固有能力もアイテムボックスに収納出来ないため弾かれ、無効化。無効化どころか弾き返ってくる始末。すべがないーーー。









戦争はアイテムボックスによって蹂躙された。




「よし、飯食いに行くかあ!」

俺は月夜が輝くこの天上に再び舞い上がる。




















ーーーーー
 ある者は、自分のせいで親友を失ったが力を手にし、親友のかたきをとり、愛する者のために必ず生きて帰ると誓う。

 ある者は、ある種族に家族を皆殺しにされ、その殺された家族の名前の頭文字をとり、繋ぎ合わせた名前を名乗っている者がいる。その者は家族を殺したやつに復讐するまでは、本名を名乗ることはないだろう。復讐を果たすために生き、復讐を果たすまでは生き残る。その者は復讐の感情をいつまでも燃やし続けている。

 ある者は、とある者に家族を殺され、独り身になった。その時、だれかに救われた。その誰かに育てられ、温かく誰か達に囲まれ、今ではマイペースな誰かさんに頭を悩ましている。その者はもう忘れていたはずの、忘れてどうでもいいと思っていたはずの感情を、その戦場で思い出す。

 ある者は、ただ生きたいと願い。希望をいだいて戦場を駆ける。

 ある者は、もう死にたいと願い。絶望を感じ、戦場を漂う。

 ある者は、複雑な事情をかかえながらも国を背負い、戦争を終わらせるためにちからをふるう。そしてまた仲間と一緒に笑う夢を見る。


 そのすべての『誓い』・『感情』・『思い』・『希望』・『絶望』・『夢』を…













アイテムボックスが












『消滅のルフス平原』。誰かがそう言った。

アーヴァルズ王国歴325年X月X日・『蹂躙の日』。





―蹂躙―
 ふみにじること。
 暴力・強権などをもって他を侵害すること。
 社会の秩序を乱すこと。
――――――――――



第一章完




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