逆光のひまわり 〜太陽を追いかけた、私たちの終わらない夏休み〜

「氷のような私を溶かしたのは、太陽みたいに笑う、あなたでした」


舞台は、潮風が吹き抜ける海沿いの町。
 夏休みを目前に控えた教室に、東京から一人の転校生、白上三葉がやってくる。名家の令嬢として完璧であることを求められ、心を磨りガラスの箱に閉じ込めて生きてきた彼女は、ただ静かに夏が過ぎるのを待っていた。

そんな彼女の静寂を鮮やかに塗り替えたのは、クラスの太陽のような少女、朝霧朱音だった。
 強引に外へと連れ出す朱音の熱い手、二人乗りで駆け下りる坂道、そして喫茶店『海猫』で弾けるソーダ水の泡。朱音の真っ直ぐな瞳に触れるうち、三葉の凍てついた心は少しずつ溶け出し、やがてそれは「友情」という言葉では縛れないほど切実な想いへと変わっていく。

けれど、三葉には「夏が終われば、元の場所へ戻らなければならない」という逃れられない運命があった。
 
 逃げ出した放課後、雨の図書室での停電、そして夏祭りの夜に打ち上がる花火。刻一刻と迫る別れの予感に胸を締め付けられながら、二人は自分たちの居場所を必死に守ろうとする。

――これは、誰よりも眩しくて、誰よりも痛い、二人の少女が駆け抜けた「本当の夏」の物語。
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