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後輩……弱み………罠

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「なぁ、なんかこの頃良いことあったんかいな?」

「え?」

「いやな?なんかこの頃様子がおかしいなお持てたらなんや急に今度は笑顔でいる時が多くなったやないか」

「ほんで何かいいことでもあったんかなーて」

学校で叶絵と話していた未央は、突然そう聞かれる。

良いこと…それは勿論有った。
それは、安里の存在。
一週間前安里に洗脳されてから、それはもう安里と同じ空間に居るってだけで嬉しく感じるようになっていた。

「それに、他の皆もどこか雰囲気変わった気がするし…もしかしてウチだけ仲間はずれにしてなんかやっとるんちゃうよなっ!?」

「なっ?ちゃうよな?」

「なにいってんのよ、ちゃうちゃう。確かに私はいい事あったけど他の子は私は知らないわよ」

叶絵がいう他の皆………それは、
































「ねぇ、和葉(あずは)」

「なに?」

安里に命令され、未央が最初に声を掛けたのは同じ2年の宇陀和葉だった。

彼女は、髪を金色に染めている子で少し…いや、かなり性格の歪んだ子だ。
噂だと後輩の男の子を脅して、お金を手に入れているとか…

「…っ……ぁ…いや、やっぱなんでもない」

言いたい事を言い出せない様な様子を演技して話す。
逃げるように立ち去ると、スマホを操作して安里に連絡をとった。



























和葉Side~



「…なんだったの?」

立ち去る未央の背中を見て首を傾げる。


「…」

あんまり話したことの無い相手で、少し嫌いな相手。
いつも上から目線でいると言うか、何処か調子に乗っている感じが気に食わない。

今の様子、なにか困っている様子だった。


「チャンスかも」
この頃、金が集まらなくてどうするかと悩んでいたところだった。

親切な後輩からの収集も、金がなくなったとか何とかで集らず、他の便利な親切な子を探していたところだ。


同い年なら、後輩くん達よりもお金を持っているだろうし何より調子に乗っている未央なら気分もいい。


何か弱みを握れるかもしれない。
あの子達も呼んで付いてくか…



そう思いスマホでメールをある二人に送ると、未央の後を追っていく。











「あの二人は…」

未央ちゃんを追って、探していると。
下校中の他の生徒にまぎれて、未央とこの間転向してきた安里君にひなちゃんが道からそれた森の方へと入っていくのを見た。

「あの三人、いつの間に仲良くなったの」
あの三人が一緒に話しているところを見たことが無い。
どこか見てない所で仲良くなったのか……それとも


「あ、和葉さん」

背後から二人、同じ制服を来た女の子が近寄ってくる。
この二人は七瀬春と瀬名彼方で一つ年下の子だ。

私はいつもこの二人と行動して、年下の…この子達のクラスの男から脅して金を回収している。

この子達にまず男を誘惑して、手を出そうとしたところを撮影して脅す。

それがいつもの方法だ。



いつもは私がいつどこでどうするかを考えていたが、今回はいつもと違く女相手だ。

この二人にも未央の弱みを握ってもらって、考えて貰おうとここへ呼んだ。


「今回はあの人ですか?」

「なんか大人びてるっていうか……すこしかっこいい感じで腕がなりますねっ」

言葉を発した順に彼方、春がそう言って指を指した。
彼方は、少し大人しいロングヘアの黒髪の子。
春は肩まで伸びた茶髪で元気な子だ。

どちらも、男を玩具としか見ていない二人でいつも同学年の男を脅したりするときには、サドっ気のある表情で、いじめていたりしている。


「いえ、今回はいつもとは違ってアイツをターゲットにするわ」

彼女たちが指差した相手、転校生の安里を否定して横に歩く未央の事を指差して言う。

いつも男がターゲットだった為勘違いしたのだろう。

「……和葉さん、男相手なら簡単ですが…どうするんですか?」

「そうですよ、私女相手に弱みを握るのって苦手ですよ?」

「簡単でないことはわかってるから呼んだのよ」


二人に、何故同じ学年の未央をターゲットにした理由を伝え、先程未央が弱みを見せそうな様子を見せた事で、一緒尾行する様に頼む。




「…そうですね、確かにその様子なら何か握れそうですね」

「あー、なんかワクワクしてきたかもっ」

女の子相手とかやってみたかったんだよねーと、春がはしゃぐのを見て、付いてくるように行った。




それにしても、あの三人………何かただ仲いいだけの関係じゃない気がするのよね…。

























うぅっ………






「今の声…」

うめき声が聞こえた。
この辺りは動物を見かけることも少なく、今のような声をあげる動物がいるようには思えない。


それに、今声が聞こえてきたのは先程の三人が向かった方向で……

「な、なに今の声」
春が、怖がって腕にしがみついて来る。

「今の声、あの先輩たち………」

「………………」

愛想の良い転校生、安里……余り人と話さなく無口なひな…………。

どちらも少し不思議な感じのする二人…その二人と一緒に何をしているのか……

「いくわよ…」

少し行くのが怖くなって来てしまう。
それを見たら、何かが変わってしまうような気がする。

でも、未央の弱みを手に入れる為……それに、この声未央の声に似ている。


「あ、あの先輩たちの声ですか?」

「あっ、ちょっとまって春っ」

女の呻く声だと分かって、春が走って見に行く。
それを止めるように彼方が手を伸ばすが届かず、春は声の聞こえる方へと木に隠れて見えなくなってしまう。








少し進んだところで、木の影から奥の方を覗いている春の姿を見つける。

「あ、春っ………はる?」

私は静かに声を掛けたが、春は反応せずにずっとなにかに夢中になるように奥を見ていた。

「何を見つけたんですか?…っ!?」

春に近寄って奥の方を同じ様に覗いた彼方は、それまた同じ様に、何かに夢中になって見つめる様になってしまった。

『…んくっ』

二人から喉のなる音が聞こえる。


一体何を見て固まっているのか、未央の弱みとなる光景なのか………





どこか、私も声……いや、一緒に聞こえてくるようになった音の正体に気が付いている。


それは、見ていいのか……見た所で、私達はそれを弱みとして…脅しの素として冷静に扱えるのか………













……………………









「…なに…を………みて……っ」

声が詰まりながら、二人に声を掛けて近寄る。


うめき声…その正体。


「んっ………くっ……んっぅ///」

その声は水の音と共に聞こえ、甘い雰囲気を出しながら鳴っていた。


「…あ、あのせんぱい…………あの人達って……」

近くから春の声が聞こえる。

「…………っ///」

そして彼方は何も言葉を発さなかったが、彼女もなにか反応を見せる。


けど、私にはなにも耳に入ってこなかった。







目の前には、あの三人がいる。

何故か、未央と安里がキズをして……安里の手が未央のあそこに伸びていて……

何故かひなが、一人自慰行為をしている。







「なに…やってるのよ……あいつら………」

どうしてあの三人があんなことをしているのか分からなかった。

何処か見ていない所で仲良くなったにしろ、この短い期間であんな事をするまで仲良くなるなんて思えない。

それに、未央は男を好むような性格には見えなかった。




そうなると……………

安里…。



あの転校生の男…どこか、おかしな雰囲気を感じていた…………あの男がなにかしらの弱みを握って未央にあんなことをしている。





そう私は考えた。










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