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「さぁ、着きました。目的は洗濯用品売り場ですが、その前に見ていきますか?男性向けの商品」
と、靴下やベルトやネクタイが置いてある場所へと案内します。
オーダースーツを着こなす人が見ても魅力を感じないかもしれませんが……。
「本当に、置いてあるのか……。いくらなんだ?品としては、そんなによいものというわけではないようだが、出先で急に必要になったときに買うなら十分だな」
冠婚葬祭用の、白や黒のネクタイ、それから黒い靴下。
急に必要になったときには役に立ちます。靴下に穴が開いてるの発見してそのまま1日過ごすよりも買って履き替えたほうがいいですし。
それに、意外と百均の靴下って、履き心地がよくて長持ちするものもあるんですよ?冬場のもこもこ靴下は欠かせません。
「出張に行くときに使い捨てで持っていくものいいかもしれないな」
と、下着を手にしています。
「ああ、使い捨ての下着なら、旅行用グッズのコーナーにありましたよ、確か」
女性用のは見た記憶があります。あれ?男性用もあったかな?
「へぇ。で、いくらなんだ?」
この人は、本気で言っているのでしょうか。
値札が付いていないか商品を裏返して見ています。
……。
「私が百均が好きな理由ですが……全部百円だからです」
「そうか、全部百円か」
一拍置いて、黒崎さんが私を二度見した。
「全部、百円?いや、嘘だろう?靴下は安い品とはいえ二百円や三百円するだろう?ネクタイは千円、どれだけ安くしようが五百円はするんじゃないのか?幾ら安っぽい布に、ちょっと縫製が緩いからって、いくら何でも百円ってことは……」
黒崎さんが驚いて、再び目の前に並んでいる商品を見ています。
「黒崎さん、ここ、百均の店ですから。百均って、百円均一の略称です。店の名前ですらありません。すべての商品が税抜き百円で売っている店です」
店の名前は、ダイトーだったり、セリオだったり、キャンドルだったり、いろいろありますが、まとめて百均って呼ぶことが多いんです。
「あ、いや、そうだ。知ってる、そう、百円均一の店を百均と呼ぶことは知ってる。いや、そうか、本当に、百円なのか……」
キョロキョロと店内の商品を見まわした後、興味深そうにふらふらと何かを見つけて歩いて行ってしまいました。
慌てて黒崎さんの腕をつかむ。
「目的はこっちですから」
「いや、ちょっと見てもいいかな?」
「だめです。私には時間がないのです。二限が終わるまでに戻って食堂で働かなければいけないのです!」
本当は今頃料理の下ごしらえをしているはずなのです。
チーフが特別に許してくれただけで、勤務時間中なのです!遊びじゃないのです!
「わ、分かった。そうだった。それで、何を見に来たんだ?」
洗濯用品グッズの並ぶ場所に連れていきます。
「覚えてますか?相談には「洗濯を干す場所がなくて乾かなくて困っています」って書いてあったのを」
黒崎さんが頷いた。
「ああ、乾かなくて困ってるっていうから、乾燥機をすすめたんだ」
まだ、言いますか。
「あの相談から読み取れる情報はいくつもあります」
眼鏡を手で押し上げてから、手のひらを黒崎さんに向けた。
親指を折り曲げる。
と、靴下やベルトやネクタイが置いてある場所へと案内します。
オーダースーツを着こなす人が見ても魅力を感じないかもしれませんが……。
「本当に、置いてあるのか……。いくらなんだ?品としては、そんなによいものというわけではないようだが、出先で急に必要になったときに買うなら十分だな」
冠婚葬祭用の、白や黒のネクタイ、それから黒い靴下。
急に必要になったときには役に立ちます。靴下に穴が開いてるの発見してそのまま1日過ごすよりも買って履き替えたほうがいいですし。
それに、意外と百均の靴下って、履き心地がよくて長持ちするものもあるんですよ?冬場のもこもこ靴下は欠かせません。
「出張に行くときに使い捨てで持っていくものいいかもしれないな」
と、下着を手にしています。
「ああ、使い捨ての下着なら、旅行用グッズのコーナーにありましたよ、確か」
女性用のは見た記憶があります。あれ?男性用もあったかな?
「へぇ。で、いくらなんだ?」
この人は、本気で言っているのでしょうか。
値札が付いていないか商品を裏返して見ています。
……。
「私が百均が好きな理由ですが……全部百円だからです」
「そうか、全部百円か」
一拍置いて、黒崎さんが私を二度見した。
「全部、百円?いや、嘘だろう?靴下は安い品とはいえ二百円や三百円するだろう?ネクタイは千円、どれだけ安くしようが五百円はするんじゃないのか?幾ら安っぽい布に、ちょっと縫製が緩いからって、いくら何でも百円ってことは……」
黒崎さんが驚いて、再び目の前に並んでいる商品を見ています。
「黒崎さん、ここ、百均の店ですから。百均って、百円均一の略称です。店の名前ですらありません。すべての商品が税抜き百円で売っている店です」
店の名前は、ダイトーだったり、セリオだったり、キャンドルだったり、いろいろありますが、まとめて百均って呼ぶことが多いんです。
「あ、いや、そうだ。知ってる、そう、百円均一の店を百均と呼ぶことは知ってる。いや、そうか、本当に、百円なのか……」
キョロキョロと店内の商品を見まわした後、興味深そうにふらふらと何かを見つけて歩いて行ってしまいました。
慌てて黒崎さんの腕をつかむ。
「目的はこっちですから」
「いや、ちょっと見てもいいかな?」
「だめです。私には時間がないのです。二限が終わるまでに戻って食堂で働かなければいけないのです!」
本当は今頃料理の下ごしらえをしているはずなのです。
チーフが特別に許してくれただけで、勤務時間中なのです!遊びじゃないのです!
「わ、分かった。そうだった。それで、何を見に来たんだ?」
洗濯用品グッズの並ぶ場所に連れていきます。
「覚えてますか?相談には「洗濯を干す場所がなくて乾かなくて困っています」って書いてあったのを」
黒崎さんが頷いた。
「ああ、乾かなくて困ってるっていうから、乾燥機をすすめたんだ」
まだ、言いますか。
「あの相談から読み取れる情報はいくつもあります」
眼鏡を手で押し上げてから、手のひらを黒崎さんに向けた。
親指を折り曲げる。
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