41 / 60
観劇
クライヴの忠告
しおりを挟む
レベッカはリラの表情を見るとニヤリッと笑い、これみよがしに自分の胸にクライヴの腕を押し当てた。
「あら。リラ様、ごきげんよう。私たち、これから一等ボックス席で劇の観賞をいたしますの。」
レベッカは顔をクライヴの腕に寄せながら、震えるリラに向かって嫌らしい笑みを浮かべながらそう告げた。
ギリッ。
クライヴは今までにないほどの怒りが込み上げ奥歯を噛み締めた。
「離せ。」
クライヴは、見たこともないリラの悲痛な表情に何時になく焦っていた。
目の前の愛しい女性が自分の失態のせいで、今にも泣き崩れそうなほどに悲痛な表情を浮かべているのだ。
今すぐにでも、この手で愛する女性を抱きしめたい。
クライヴはそう思って仕方がなかったが、このふしだらに身を寄せる令嬢に手を上げることもできなかった。
クライヴは一国の皇子である、大衆の面前で女性に暴力など振るうことはできない。
理想はレベッカ自身から離れるか、父であるユングフラウ侯爵の手で引き剥がされるかのどちらかだった。
しかし、レベッカは全く空気を読まずに全く離れようともせず、ユングフラウ侯爵も謀ったかのように穏やかな表情を浮かべていた。
「痛っ。すみません。クライヴ様。足を挫いてしまったようですわ。」
レベッカは、クライヴの言葉に怯むことなく嫌らしくも猫撫で声で甘えてきた。
「ユングフラウ侯爵、悪ふざけが過ぎるのではないか。この娘に俺から離れるように言ってもらえないだろうか。」
クライヴはレベッカの意を返さない言動に怒りが増し、真っ紅に燃えるような瞳で鋭くユングフラウ侯爵を睨みつけた。
そのあまりの威圧感に、ユングフラウ侯爵は一瞬にして顔が引き攣ったものの、今度はレベッカにも淑女とは到底思えないほどの形相で睨みつけられるのだった。
「クライヴ様。私、足が痛くて一人では歩けそうにございませんわ。」
再びレベッカがクライヴの胸元に手を伸ばしながら嫌らしく擦り寄ってきた。
「すみません、殿下。もしよろしければ、このまま、二階まで娘をエスコートいただけますか。」
ユングフラウ侯爵は全身がぐっしょりするほどに冷や汗を滴らしながらクライヴにそう頼むも、クライヴは一層にユングフラウ侯爵を睨みつけ威圧感が増す一方だった。
「ふざけるのも大概にしろよ。」
クライヴがいつになくドスの効いた声でユングフラウ侯爵にそう忠告した。
「レベッカ、私の腕を貸すから…。」
ユングフラウ侯爵はクライヴの威圧感に耐えらなくなり、慌てて娘を宥めようした。
「あ、いったーい…。」
しかし、レベッカは一歩も退かず、リラに見せつけるようにクライヴに端なく上目遣いで訴えるのだった。
リラは、この状況がクライヴの意図したものでないことは理解していた。
クライヴにその気がなく、レベッカが無理強いしていることは誰の目にも明らかだった。
それでも、自分の目の前で、自分以外の女性がクライヴに抱きついている姿など悍ましくてたまらなかった。
そして、この状況を目の当たりにしているにも関わらず、自分が何の意見をする立場でないことが辛く、悲しく、虚しかった。
リラはただの田舎の伯爵家の令嬢、一方のレベッカはアベリア国で有力な上流貴族であるユングフラウ侯爵家の令嬢だ。
身分の差はあきらかだ。
そして、クライヴとの関係も所詮、『恋人』でしかなかった。
婚姻関係にあるか、婚約者でなければ公的には何の意味もないのだ。
(嫌…。)
リラは心の中でそう叫ぶのが精一杯だった。
「ねえ。リラ様なんて、どうでもいいじゃないですか。どうせ、婚約者でも何でもないんでしょう。」
そんなリラの心を見透かすように、レベッカがそう言うとリラは思わず一雫の涙を零した。
リラが一番よくわかっていた。
自分は婚約者でもない。
ただの恋人であり、子供の飯事のようなものだ。
今日、本当にクライヴがリラに黙ってレベッカと見合いを行っていたからと言って意見ができる権利など何処にもないのだ。
(こんなことなら、早々に婚約してしまえば良かった…。)
そう思うと、リラの青緑色の瞳から止めどもなく涙が溢れ、リラは居ても立ってもいられなくなり、その場を逃げるように走り去っていった。
「何よ。私が悪者みたいじゃない。」
走り去るリラの後ろ姿にレベッカは吐き捨てるようにそう言った。
「離せ。」
クライヴは震えながら、見たこともないほどの悍ましい表情でレベッカを見入った。
レベッカは一瞬その表情に気圧されたが、リラという邪魔者が消えた今、退くことなどできなかった。
ここで引きずってでも、席にクライヴを連れ込めばレベッカの勝利は約束されているのだ。
レベッカはそう思い、一歩も退くことはなかった。
「デイビッド。」
クライヴは、レベッカのその様子を確認するとデイビッドを呼びつけた。
デイビッドはすぐさま駆け寄り、レベッカの両手を取り押さえ、クライヴから剥がした。
「痛い。何するのですか。」
レベッカは慌ててそう訴えた。
「正当防衛ですよ。何度もユングフラウ侯爵令嬢に離れるように忠告したではございませんか。それでも、ユングフラウ侯爵令嬢は離れなかった。殿下は、自分に危害を加えられる身を案じ、私に警護を頼んだだけのことですよ。暫く大人しくしていてください。すいません、どなたか警備員を呼んでいただけますか。」
デイビッドはそう言いながらレベッカの両手を背中に回させ身動きが取れないようにした。
「こんなか弱い女性が、クライヴ様にどんなことをするというのです。」
「はいはい。そう言って殿下に近づくご令嬢は今まで数多く見てきましたので。」
レベッカがデイビッドに抗議するも、デイビッドは慣れた手つきでまったく気にする様子がなかった。
「ありがとう。後は頼んだ。」
クライヴはデイビッドに礼を言うとその場を後にした。
★ ★ ★
時間は少し戻り、リラがひとり玄関ホールに向かった、その頃。
取り残された四人は、リラの今までに見たことのない曇った表情に不安を隠せなかった。
「リラ様、大丈夫かしら…。」
クリスティーヌがそう呟いた。
「私たちも向かいましょう…。」
アビーはそういうと四人はリラの後を追うように玄関ホールに向かった。
ロイドは気づいていた。
(あの声はおそらくアクイラ国皇子だろう。)
(それにしても、あの怒号は一体…?何か揉め事だろうか。)
クライヴは国賓としてアベリア国に滞在している。
もし、その身に何かあれば国際問題に発展するかもしれない。
(なんとか穏便にことを済ませられればいいのだが…。)
ロイドは手に汗を握った。
四人が玄関ホールに着くと、人だかりができていた。
仕方なくロイドが割って入ろうとすると周囲の客はロイドに気づき道を開けていった。
四人が人だかりの最前面に着くと目の当たりにしたのは、嫌がるクライヴにレベッカがしがみついている姿だった。
クライヴは、ものすごい形相で何度も離すように訴えているがレベッカは全く聞き入れようとしなかった。
この場の誰しもが仲裁に入った方がいいのはわかっているが、相手がユングフラウ侯爵家という立場に気後れしているのだろう。
(ここは自分がなんとかしなければ…。)
ロイドはそう思うものの言葉がでなかった。
ロイドは皇子である、ここで最も身分が高く、仲裁に入るには適任なのだろう。
けれど、ロイドもクライヴの険悪な表情に気圧され言葉が出なかった。
そうこうしていると、リラが大粒の涙を流しながら走り去っていくではないか。
ロイドは一も二もなく慌ててリラを追いかけた。
「あら。リラ様、ごきげんよう。私たち、これから一等ボックス席で劇の観賞をいたしますの。」
レベッカは顔をクライヴの腕に寄せながら、震えるリラに向かって嫌らしい笑みを浮かべながらそう告げた。
ギリッ。
クライヴは今までにないほどの怒りが込み上げ奥歯を噛み締めた。
「離せ。」
クライヴは、見たこともないリラの悲痛な表情に何時になく焦っていた。
目の前の愛しい女性が自分の失態のせいで、今にも泣き崩れそうなほどに悲痛な表情を浮かべているのだ。
今すぐにでも、この手で愛する女性を抱きしめたい。
クライヴはそう思って仕方がなかったが、このふしだらに身を寄せる令嬢に手を上げることもできなかった。
クライヴは一国の皇子である、大衆の面前で女性に暴力など振るうことはできない。
理想はレベッカ自身から離れるか、父であるユングフラウ侯爵の手で引き剥がされるかのどちらかだった。
しかし、レベッカは全く空気を読まずに全く離れようともせず、ユングフラウ侯爵も謀ったかのように穏やかな表情を浮かべていた。
「痛っ。すみません。クライヴ様。足を挫いてしまったようですわ。」
レベッカは、クライヴの言葉に怯むことなく嫌らしくも猫撫で声で甘えてきた。
「ユングフラウ侯爵、悪ふざけが過ぎるのではないか。この娘に俺から離れるように言ってもらえないだろうか。」
クライヴはレベッカの意を返さない言動に怒りが増し、真っ紅に燃えるような瞳で鋭くユングフラウ侯爵を睨みつけた。
そのあまりの威圧感に、ユングフラウ侯爵は一瞬にして顔が引き攣ったものの、今度はレベッカにも淑女とは到底思えないほどの形相で睨みつけられるのだった。
「クライヴ様。私、足が痛くて一人では歩けそうにございませんわ。」
再びレベッカがクライヴの胸元に手を伸ばしながら嫌らしく擦り寄ってきた。
「すみません、殿下。もしよろしければ、このまま、二階まで娘をエスコートいただけますか。」
ユングフラウ侯爵は全身がぐっしょりするほどに冷や汗を滴らしながらクライヴにそう頼むも、クライヴは一層にユングフラウ侯爵を睨みつけ威圧感が増す一方だった。
「ふざけるのも大概にしろよ。」
クライヴがいつになくドスの効いた声でユングフラウ侯爵にそう忠告した。
「レベッカ、私の腕を貸すから…。」
ユングフラウ侯爵はクライヴの威圧感に耐えらなくなり、慌てて娘を宥めようした。
「あ、いったーい…。」
しかし、レベッカは一歩も退かず、リラに見せつけるようにクライヴに端なく上目遣いで訴えるのだった。
リラは、この状況がクライヴの意図したものでないことは理解していた。
クライヴにその気がなく、レベッカが無理強いしていることは誰の目にも明らかだった。
それでも、自分の目の前で、自分以外の女性がクライヴに抱きついている姿など悍ましくてたまらなかった。
そして、この状況を目の当たりにしているにも関わらず、自分が何の意見をする立場でないことが辛く、悲しく、虚しかった。
リラはただの田舎の伯爵家の令嬢、一方のレベッカはアベリア国で有力な上流貴族であるユングフラウ侯爵家の令嬢だ。
身分の差はあきらかだ。
そして、クライヴとの関係も所詮、『恋人』でしかなかった。
婚姻関係にあるか、婚約者でなければ公的には何の意味もないのだ。
(嫌…。)
リラは心の中でそう叫ぶのが精一杯だった。
「ねえ。リラ様なんて、どうでもいいじゃないですか。どうせ、婚約者でも何でもないんでしょう。」
そんなリラの心を見透かすように、レベッカがそう言うとリラは思わず一雫の涙を零した。
リラが一番よくわかっていた。
自分は婚約者でもない。
ただの恋人であり、子供の飯事のようなものだ。
今日、本当にクライヴがリラに黙ってレベッカと見合いを行っていたからと言って意見ができる権利など何処にもないのだ。
(こんなことなら、早々に婚約してしまえば良かった…。)
そう思うと、リラの青緑色の瞳から止めどもなく涙が溢れ、リラは居ても立ってもいられなくなり、その場を逃げるように走り去っていった。
「何よ。私が悪者みたいじゃない。」
走り去るリラの後ろ姿にレベッカは吐き捨てるようにそう言った。
「離せ。」
クライヴは震えながら、見たこともないほどの悍ましい表情でレベッカを見入った。
レベッカは一瞬その表情に気圧されたが、リラという邪魔者が消えた今、退くことなどできなかった。
ここで引きずってでも、席にクライヴを連れ込めばレベッカの勝利は約束されているのだ。
レベッカはそう思い、一歩も退くことはなかった。
「デイビッド。」
クライヴは、レベッカのその様子を確認するとデイビッドを呼びつけた。
デイビッドはすぐさま駆け寄り、レベッカの両手を取り押さえ、クライヴから剥がした。
「痛い。何するのですか。」
レベッカは慌ててそう訴えた。
「正当防衛ですよ。何度もユングフラウ侯爵令嬢に離れるように忠告したではございませんか。それでも、ユングフラウ侯爵令嬢は離れなかった。殿下は、自分に危害を加えられる身を案じ、私に警護を頼んだだけのことですよ。暫く大人しくしていてください。すいません、どなたか警備員を呼んでいただけますか。」
デイビッドはそう言いながらレベッカの両手を背中に回させ身動きが取れないようにした。
「こんなか弱い女性が、クライヴ様にどんなことをするというのです。」
「はいはい。そう言って殿下に近づくご令嬢は今まで数多く見てきましたので。」
レベッカがデイビッドに抗議するも、デイビッドは慣れた手つきでまったく気にする様子がなかった。
「ありがとう。後は頼んだ。」
クライヴはデイビッドに礼を言うとその場を後にした。
★ ★ ★
時間は少し戻り、リラがひとり玄関ホールに向かった、その頃。
取り残された四人は、リラの今までに見たことのない曇った表情に不安を隠せなかった。
「リラ様、大丈夫かしら…。」
クリスティーヌがそう呟いた。
「私たちも向かいましょう…。」
アビーはそういうと四人はリラの後を追うように玄関ホールに向かった。
ロイドは気づいていた。
(あの声はおそらくアクイラ国皇子だろう。)
(それにしても、あの怒号は一体…?何か揉め事だろうか。)
クライヴは国賓としてアベリア国に滞在している。
もし、その身に何かあれば国際問題に発展するかもしれない。
(なんとか穏便にことを済ませられればいいのだが…。)
ロイドは手に汗を握った。
四人が玄関ホールに着くと、人だかりができていた。
仕方なくロイドが割って入ろうとすると周囲の客はロイドに気づき道を開けていった。
四人が人だかりの最前面に着くと目の当たりにしたのは、嫌がるクライヴにレベッカがしがみついている姿だった。
クライヴは、ものすごい形相で何度も離すように訴えているがレベッカは全く聞き入れようとしなかった。
この場の誰しもが仲裁に入った方がいいのはわかっているが、相手がユングフラウ侯爵家という立場に気後れしているのだろう。
(ここは自分がなんとかしなければ…。)
ロイドはそう思うものの言葉がでなかった。
ロイドは皇子である、ここで最も身分が高く、仲裁に入るには適任なのだろう。
けれど、ロイドもクライヴの険悪な表情に気圧され言葉が出なかった。
そうこうしていると、リラが大粒の涙を流しながら走り去っていくではないか。
ロイドは一も二もなく慌ててリラを追いかけた。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる