すべてが嫌になったので死んだふりをしたら、いつの間にか全部解決していました

 公爵令嬢へテーゼは、苦労人だった。


 周囲の人々は、なぜか彼女にひたすら迷惑をかけまくる。


 婚約者の第二王子は数々の問題を引き起こし、挙句の果てに彼女の妹のフィリアと浮気をする。

 家族は家族で、せっかく祖父の遺してくれた遺産を湯水のように使い、豪遊する。


 どう考えても彼らが悪いのに、へテーゼの味方はゼロ。

 代わりに、彼らの味方をする者は大勢。


 へテーゼは、彼らの尻拭いをするために毎日奔走していた。


 そんなある日、ふと思った。


 もう嫌だ。

 すべてが嫌になった。


 何もかも投げ出したくなった彼女は、仲の良い妖精たちの力を使って、身体から魂を抜き取ってもらう。

 表向き、へテーゼが「死んだ」ことにしようと考えたのだ。


 当然そんなことは露知らず、完全にへテーゼが死んでしまったと慌てる人々。

 誰が悪い、これからどうするのか揉めるうちに、自爆していく連中もいれば、人知れず彼女を想っていた者の復讐によって失脚していく連中も現れる。


 こうして彼女が手を出すまでもなく、すべての問題は綺麗さっぱり解決していき――。
 
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