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4章

4章46話(346話)

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 感心していると、扉がノックされた。返事をすると、すぐに扉が開き、アル兄様が入って来た。私の姿を見て一瞬大きく目を見開いたあと、ふっと微笑みを浮かべた。

「今日のリザはいつもに増して綺麗だね」
「ありがとう、アル兄様」
「そろそろヴィーが来る時間だから、迎えに来たよ。晴れているから中庭に集まることにしたんだ」

 そう言い終えると、私に対して手を差し伸べる。

「それでは、行きましょうか、レディ?」
「ふふっ、はい、アル兄様」

 差し伸べられた手を取り、ぎゅっと握る。中庭までアル兄様のエスコートで歩き、中庭に用意された料理の品々や飲み物を見て目を丸くした。だって、あまりにも豪華だったから。

「……パーティーでもするの?」
「ある意味ね」

 くすくすと笑うアル兄様に首を傾げていると、お母様たちが私たちに気付いて、ひらりと手を振った。

「良い天気ね」
「はい。とても綺麗な晴天です」

 空を見上げてゆっくりと息を吐く。すると、後ろからヴィニー殿下の声が聞こえた。

「少し早かったですかね?」
「いいえ、ヴィンセント殿下。お待ちしておりました」

 すっとお母様が立ち上がり、カーテシーをするのを見て、慌ててヴィニー殿下へ身体を向けてカーテシーをした。

 ちらりとヴィニー殿下を見ると、彼は柔らかいまなざしで私たちを見ている。

「……ちょっと痩せたんじゃない?」

 アル兄様が心配そうにヴィニー殿下を見ていた。ヴィニー殿下は肩をすくめて、

「ずっとベッドでゴロゴロしていたからね」

 と笑っている彼に、アル兄様は眉を下げた。

「今日はふたりがだいぶ回復したお祝いよ。たくさん食べて、たくさん楽しんでね」

 お母様がそう言うと、ヴィニー殿下は「ありがとうございます」と微笑んだ。

 そこからは、いろいろな話をしながら食事を摂った。ちなみに集まっているメンバーにディアも居て、シー兄様の隣に座っている。

「お見舞いに行かず申し訳ありません」
「いえ、クラウディア王女、気にしないでください。元々、魔塔に入れるのは決められた人たちですから」
「そうなのですか?」

 思わず私が口を挟んでしまった。決められた人たちしか入れないのなら、私は一体……? と考えていると、シー兄様が答えを教えてくれた。

「外国の人は入れないんだ。魔塔っていろいろ研究しているから」
「もちろん、クラウディア王女が機密を漏洩ろうえいするような人ではないことを知っているよ。でもまぁ、一応決まりだから。僕が王城の自室で寝ていたなら別だったろうけど、ほぼ魔塔で暮らしていたからさ」
「ヴィーは王城より魔塔のほうが好きだもんね」
「それはアルもだろ?」

 なんて言いながら視線を交わして悪戯っぽく微笑んでいる。
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