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プロローグ、 始まりの始まるまで
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ーー気が付くと、どこか違和感を感じる。
「?」
何故か頭がぼうっとしていて、どこかで頭をぶつけでもしたのか、どこかふわふわしている。
だからなのか、最初のうちは、その違和感が何なのかが分からなかった。
ーー少しの間、騒がずにただ大人しくぼうっとしたままでいたお陰か、少しずつだがようやく頭がハッキリしてくる。
「……ふーっ。」
ようやく状態が回復してきたから、今、自分がどんな状況なのかと思って、確かめようとして何とか振り絞るように思考を巡らし始める。
ほんの少し、頭がハッキリしてきた。
だから、それと同時にどこかに異常はないかと確認するために他に影響ないように手や体を少しずつ動かしてみた。
「ん」
指から順番に動かしていって、何ともないと確認したら、次に体を左右に動かしてみる。
何故か動かした体の動きが小さくて違和感を感じたが、特にこれと言って何もなく、すぐに異変が起きるような問題もなくて、もう一度、手を握っては開いてみせる。
両手同時に手を握っては開いてみたり、今度は交互にやってみたり、指を順番に閉じていって開いていったり、細かく動かしてみて、自分の感覚を取り戻そうとした。
それからも手を動かしたりしながらも、目をぱちぱとさせてみたり、頭をゆっくりと動かしながら、部屋の中を見回す。
かなり感覚が戻ってきていたので、ふと自分の手を見下ろしてみた。
「???」
一瞬、その違和感を理解できない自分がいて、本能的に何度も手を握っては開いてみる。
その行動でようやく実感がこもってきたのか、さっきからぐるぐるしていた意識もクリアになってきて、ようやく気が付くことができた。
ーーそう、《自分の手が小さい》ことに。
「(……な? な、な、な……な、何だ? こ、これは本当に俺の手なのか!?)」
咄嗟に声が出ないほどに驚いてしまう。確かに自分の手なはずなのにそれが自分の手だと思えなかった。
ーーそう、本当に自分の手なのであれば、その手は大きいはずなのだ。
……自分は子供ではない。
……自分は大人なのだから。
「(……まさか!?)」
手が小さいということはと、ようやく当たり前なことに気が付くと、その小さい手で体中を慌てて触ってみる。
締まりのないない体を見下ろすとやけに近い地面に、逆に上を見上げてみて、心なしか遠くなったと感じる天井。
急いで部屋の角に立て掛けていた布を掛けておいていた鏡に近付き、思いっきり布を引っ張る。
しかし、子供の力ではたいした力もなく、布を取り去ることが出来ずに、下の方が見える程度に布がずれただけ。
ーー鏡に映ったのは間違いなく子供で、しかも、どう見ても幼児にしか見えないのだった。
「にゃんにゃのだ!こりぇわ!?(何なのだ!これは!?)」
ようやく声に出した言葉が言葉にすらなっていなかったことにさらにショックを受ける。
「にゃんにゃんだ~~きょとびゃがへんにゃ!(何なんだ~~言葉が変だ!)」
やっぱり言葉が出来ていない。
ーーそのどうにもならない異常な状況にさすがにパニックになり掛けてしまい、何とかこうなってしまった理由を思い出そうとする。
必死で思い出そうと記憶を探るうちに、頭の中もだいぶ落ち着いてきていて、ようやくこの異常事態を解決する記憶にたどりついた。
ーーそう、自分が異常なほどまでに忙しかったことを思い出すのだった。
「?」
何故か頭がぼうっとしていて、どこかで頭をぶつけでもしたのか、どこかふわふわしている。
だからなのか、最初のうちは、その違和感が何なのかが分からなかった。
ーー少しの間、騒がずにただ大人しくぼうっとしたままでいたお陰か、少しずつだがようやく頭がハッキリしてくる。
「……ふーっ。」
ようやく状態が回復してきたから、今、自分がどんな状況なのかと思って、確かめようとして何とか振り絞るように思考を巡らし始める。
ほんの少し、頭がハッキリしてきた。
だから、それと同時にどこかに異常はないかと確認するために他に影響ないように手や体を少しずつ動かしてみた。
「ん」
指から順番に動かしていって、何ともないと確認したら、次に体を左右に動かしてみる。
何故か動かした体の動きが小さくて違和感を感じたが、特にこれと言って何もなく、すぐに異変が起きるような問題もなくて、もう一度、手を握っては開いてみせる。
両手同時に手を握っては開いてみたり、今度は交互にやってみたり、指を順番に閉じていって開いていったり、細かく動かしてみて、自分の感覚を取り戻そうとした。
それからも手を動かしたりしながらも、目をぱちぱとさせてみたり、頭をゆっくりと動かしながら、部屋の中を見回す。
かなり感覚が戻ってきていたので、ふと自分の手を見下ろしてみた。
「???」
一瞬、その違和感を理解できない自分がいて、本能的に何度も手を握っては開いてみる。
その行動でようやく実感がこもってきたのか、さっきからぐるぐるしていた意識もクリアになってきて、ようやく気が付くことができた。
ーーそう、《自分の手が小さい》ことに。
「(……な? な、な、な……な、何だ? こ、これは本当に俺の手なのか!?)」
咄嗟に声が出ないほどに驚いてしまう。確かに自分の手なはずなのにそれが自分の手だと思えなかった。
ーーそう、本当に自分の手なのであれば、その手は大きいはずなのだ。
……自分は子供ではない。
……自分は大人なのだから。
「(……まさか!?)」
手が小さいということはと、ようやく当たり前なことに気が付くと、その小さい手で体中を慌てて触ってみる。
締まりのないない体を見下ろすとやけに近い地面に、逆に上を見上げてみて、心なしか遠くなったと感じる天井。
急いで部屋の角に立て掛けていた布を掛けておいていた鏡に近付き、思いっきり布を引っ張る。
しかし、子供の力ではたいした力もなく、布を取り去ることが出来ずに、下の方が見える程度に布がずれただけ。
ーー鏡に映ったのは間違いなく子供で、しかも、どう見ても幼児にしか見えないのだった。
「にゃんにゃのだ!こりぇわ!?(何なのだ!これは!?)」
ようやく声に出した言葉が言葉にすらなっていなかったことにさらにショックを受ける。
「にゃんにゃんだ~~きょとびゃがへんにゃ!(何なんだ~~言葉が変だ!)」
やっぱり言葉が出来ていない。
ーーそのどうにもならない異常な状況にさすがにパニックになり掛けてしまい、何とかこうなってしまった理由を思い出そうとする。
必死で思い出そうと記憶を探るうちに、頭の中もだいぶ落ち着いてきていて、ようやくこの異常事態を解決する記憶にたどりついた。
ーーそう、自分が異常なほどまでに忙しかったことを思い出すのだった。
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