黄金の檻に降る雪
「君を一生守ると誓おう。……たとえ、この手が罪に汚れようとも」
十五年前、騎士団長だった父は、親友である王太子ジークハルトを庇って戦死した。
五歳で天涯孤独となったルシアンを抱きしめたのは、血の匂いと深い後悔を纏ったジークハルトだった。
「父の代わりにはなれないが、私が生涯、お前の側にいる」
その日から、ルシアンは王宮の奥深く、宝石のように大切に、そして過保護に育てられた。
二十歳の年の差、世継ぎも作らず自分だけに注がれる無償の愛。
成人を目前に控えたルシアンは、いつしか自分を保護する「父の親友」に対し、名前の付けられない熱い感情を抱き始める。
しかし、華やかな夜会の裏側で告げられた残酷な真実。
「殿下が貴方を側に置くのは、死んだ親友への『贖罪』に過ぎない」
自分の存在が愛する人の未来を縛る枷であったと知ったルシアンは、感謝と絶望を胸に、何も告げず王宮を去る決意をする。
逃げ込んだ先は、かつての父を誰よりも誇りに思う叔母夫婦のもとだった。
だが、ルシアンは知らなかった。
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そして、ルシアンを溺愛する叔母夫婦が、彼を傷つけた王宮の者たち、そして殿下本人にさえ「死よりも残酷な報復」を企てていることを――。
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