不肖ながら、お嬢様は渡しません
──私のせいではない。断じて。いや、断固として、である。
そう心の中で言い切るたびに、なぜか己の胸に鋭く突き刺さる何かがあるが、それはまったくの無関係だ。
お嬢様がまたしても婚約破棄をされ、部屋の隅で膝を抱えて沈んでいるのは私のせいではない。決して、決して。なぜなら私はただの執事──いや、元蜘蛛の執事に過ぎないからだ。
「──私のせいです。申し訳ございません、お嬢様」
◆◆◆
元はただの蜘蛛だったクロードは、ある少女の優しさによって命を救われる。そして彼は誓った──いつか必ず彼女の傍に立つと。
時は流れ、クロードは人の姿を得て、彼女の執事となる。誰よりも忠実に仕え、完璧に職務をこなす彼だったが、ある問題があった。彼女の婚約者たちは皆、彼の恐ろしい視線に恐れをなし、次々と逃げ出すのだ。
だが、ある日彼女が王都の騎士団長に求婚され、クロードの世界は揺らぎ始める。彼女のために身を引くべきか、それとも──。
「──不肖ながら、お嬢様は渡しません!」
忠誠と愛が織りなす糸の行方は、果たして“幸福”へと紡がれるのか──?
そう心の中で言い切るたびに、なぜか己の胸に鋭く突き刺さる何かがあるが、それはまったくの無関係だ。
お嬢様がまたしても婚約破棄をされ、部屋の隅で膝を抱えて沈んでいるのは私のせいではない。決して、決して。なぜなら私はただの執事──いや、元蜘蛛の執事に過ぎないからだ。
「──私のせいです。申し訳ございません、お嬢様」
◆◆◆
元はただの蜘蛛だったクロードは、ある少女の優しさによって命を救われる。そして彼は誓った──いつか必ず彼女の傍に立つと。
時は流れ、クロードは人の姿を得て、彼女の執事となる。誰よりも忠実に仕え、完璧に職務をこなす彼だったが、ある問題があった。彼女の婚約者たちは皆、彼の恐ろしい視線に恐れをなし、次々と逃げ出すのだ。
だが、ある日彼女が王都の騎士団長に求婚され、クロードの世界は揺らぎ始める。彼女のために身を引くべきか、それとも──。
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