泡にならなかった人魚姫より、あなたへ
ねえ、あなたに一つ聞いてもいいかしら。
あなたも何か、泡にされそうになったことない?
◆
海の青は抱きしめてくれる。
けれど空の青は、どれほど手を伸ばしても届かない。
海の底で生まれた末の人魚姫は、そんな届かないものに憧れていた。
初めて海の上へ出た夜、嵐の中で王子を救った彼女は、人間の世界へ行くために声を捨てる。痛む足で陸を歩き、言葉を失った喉で想いを飲み込みながら、彼女は恋のそばに立ち続ける。
だが、憧れは時に残酷だ。愛した相手の視線の先に、自分はいない。救った事実も、捧げたものも、必ずしも報われるとは限らない。
誰かを愛することは自分を失うことなのか。
泡にならなかった人魚姫より、あなたへ。
あなたも何か、泡にされそうになったことない?
◆
海の青は抱きしめてくれる。
けれど空の青は、どれほど手を伸ばしても届かない。
海の底で生まれた末の人魚姫は、そんな届かないものに憧れていた。
初めて海の上へ出た夜、嵐の中で王子を救った彼女は、人間の世界へ行くために声を捨てる。痛む足で陸を歩き、言葉を失った喉で想いを飲み込みながら、彼女は恋のそばに立ち続ける。
だが、憧れは時に残酷だ。愛した相手の視線の先に、自分はいない。救った事実も、捧げたものも、必ずしも報われるとは限らない。
誰かを愛することは自分を失うことなのか。
泡にならなかった人魚姫より、あなたへ。
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