人魚姫は海獣に恋をする

「誰でもいいから、私を見つけて――」

自分の居場所が見つからず、自虐的な行動でしか「SOS」を出せなかった少女・澪(みお)。

海から届く「導きの音」に誘われ、言葉を失った彼女が辿り着いたのは荒れ狂う海に浮かぶ船だった。

そこで人々から恐れられる海賊の男・カイと出会い、ミオは「言葉が通じない」と知る。

二度目の言語喪失にショックを受けるミオ。

献身的に支えてくれたのはカイと、船の仲間たちだった。

「大丈夫だ。俺にはお前の『音』が聞こえる」

かつては海に呑まれるだけだった無力な「人魚姫」が、獣の呪いに呑まれかけた男を救うため、今度は自ら、荒れ狂う海へと飛び込んでいく――。

これは奪われた言葉を愛で塗り替え、 孤独な二人が「音」と「体温」で自分たちの居場所を勝ち取る、切なくも力強い救済の物語。

※キャラ文芸大賞応募作(毎日20:20更新)
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