上 下
130 / 381
8章

130 朝食と目玉焼き

しおりを挟む
マリ 視点

ルナールさんの家の玄関に着くとルナールさんが出迎えてくれた。

「今日もいっぱい採れたわね。何に加工しようかしら?」

「ティーがププの家族に差し入れするらしいから野菜分けといてね。」

「ええ、人参と葉物を多めにしておくわ。お風呂沸いているから入ったら朝食食べましょ。」

「ありがとう、じゃあ行こっか!」

「はーい!」

カグリアさん達は外からお風呂場に向かったようだ。
外からお風呂場に行けるから部屋が汚れないのか。
よく考えている。

「マリさんは食堂に行きましょう。」

「はい!」

私は汚れていない為、お風呂に行かずルナールさんに着いて行った。
私は食事した食堂に向かった。
今度は迷わず進めた。やはり、精霊の所為だったのだろう。
食堂のテーブルには料理が並んでいて、いつでも食べ始めることができる状態だった。
とはいえ、全員来るまで待つつもりだ。

「そうそうマリさん。転移陣もう出来てるからいつでも行けるわよ。」

「もう出来たんですか?」

「私たちが買い物に行く時に使っている転移陣を少し変えるだけだから五分くらいで終わったわ。」

「ありがとうございます。朝食が終わったら行きたいです。」

時間がかかると言っていたのにすぐ出来るのなら、泊めずに送ってくれればよかったのに…

「それなんだけど…少し手伝って欲しいことがあるんだけど…」

「何ですか?お礼もありますし、やります。」

二食一泊のお礼が出来るならしないとね。
ルナールさんのお礼の要望はサモエドさんのお店のことだけど私に出来るかわからない。

「野菜の下処理を手伝って欲しいのよね。」

「…あの野菜の山ですか?」

あの大量の野菜を処理するのか…

「そうなの。リアはリリスちゃんと冒険者ギルドに行くし、ティーちゃんとクリスちゃんはププちゃんの所に行ってから遊び回るみたいだし。手伝ってくれると早く終わるから助かるわ。」

「料理あまり得意ではないですがやります。やらせて下さい。」

「よかった。よろしくね。」

私は帰る前に少しでも恩返しすることに決まった。
その後はルナールさんと雑談をしているとカグリアさん達が戻って来て食事となった。

パンとごはんを選べたのでパンを貰い目玉焼きとサラダを頂いた。
この世界の卵は生で食べるが必ず消毒処理したものしか食べないらしい。
もし、消毒処理をしてないものを食べると丸3日は腹痛に見舞われるそうだ。
今回のはちゃんと資格を持つ業者の卵で食べても大丈夫らしいが…
デカい!

黄身だけで私の顔ほどある。
流石にデカすぎるのでみんなで切り分けているけど食べ切れるのかな?

「あの~…この大きい卵なんの卵ですか?」

「これ?エッグドラゴンよ。知り合いから毎週2個届くのよ。」

「ド、ドラゴン!初めて食べました。」

「あまり流通してないからね。あら?ウーダちゃん卵お代わり?」

『きゅ!』

ルナールさんは残りの目玉焼きの皿をウーダちゃんに渡した。
ウーダちゃんは共喰いしているのに平然と卵を食べていた。
同じドラゴンとしてどうなのよ。

その後、目玉焼きは大半をウーダちゃんが食べた。
お皿が空になるとウーダちゃんは食器を咥え台所に歩いて行った。
なんか偉いな…
でも大きなお皿を壁にぶつけていたのでカグリアさんに怒られていた。

私も台所で洗い物の手伝いをしようと立ち上がったところルナールさんが手早く魔法で終わらせていた。
することがない…

仕方なく私は灰色のオオカミの毛皮を着た可愛子ちゃんを撫でることにした。
昨日と違ってすぐに触らせてくれた。

安心しきっているのかな?
しかし、この毛皮もモフモフで気持ちいい。

「むふぅ!」

ティーちゃんはもふられて気持ちいいようだ。

「お待たせ!仕事頼むから着いて来てね。」

ルナールさんが戻って来たのでもふるのをやめて、ルナールさんの後に続いた。
クリスちゃんを乗せたティーちゃんもトコトコと追って来た。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:3,456

侯爵夫人は子育て要員でした。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:305pt お気に入り:1,778

天使志望の麻衣ちゃん

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:1

はずれのわたしで、ごめんなさい。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:738pt お気に入り:5,730

皇子に婚約破棄されたので、悪役令嬢になりますね(今更感)

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:318

処理中です...