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8章

132 空の守護神

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マリ 視点

休憩することになり、私はルナールさんと使った道具を洗い、片付けをして食堂に戻るとウーダちゃんが鼻ちょうちんを出して寝ていた。

『きゅー』スヤースヤー…

「ウーダちゃんはクリスちゃんに着いて行かないのですね。」

「ウーダちゃんはまだ戦えないからね。家で大人しくしてもらった方が安全なのよ。この前なんて空蜘ちゃんの糸に引っかかって泣いていたのよ。」

「空蜘ちゃん?」

「うちの空の守護者よ。その子達のお陰で子供達が庭で遊べるのよ。」

どうやら外にはまだ見ていない魔物がいるようだ。

「そこにもいるから呼んでみましょうか?」

ん?どこにもいるの?

「え!蜘蛛ですよね。ちょ!?」

益虫である蜘蛛だが結構苦手である。

「空蜘ちゃんちょっと来てくれる?」

「カチッ!」

金属と金属が当たるような音が鳴り、身体が白くて青い大きな目でアイスのコーン…いや、チョココロネのように綿に包まれた可愛い生物が現れた。

「この子が空蜘ちゃんよ。この子以外にもいて空からの魔獣を絡めているのよ。」

「見た目が可愛いのに強いんですね。」

「呼び出してごめんね!もういいよ!」

私が触る前にルナールさんが空蜘ちゃんを帰してしまった。残念。

「森に住む魔物達は子育ての際に空蜘ちゃんを飼って空を守らせているそうよ。」

「それ誰情報です?」

「ママ友の魔獣さんから!」

…普通の人いないの!この近くには…
普通、魔獣のママ友とかいるか!
とはいえ、言葉にすることは出来ないのでどう答えようか考えていると、空間魔法で何かを出していた。

「そうそう、このお菓子食べてみて!」

そう言って小ちゃいカップケーキを出してくれた。
小さいので一口で食べるとクリームチーズの味がした。
もう一つ食べると芋の味がした。
さらにもう一つ食べるとスイートポテトの味がした。
色々な味が楽しめるお菓子か…手が込んでそう。

「色んな味がして美味しいです。」

「そう?でもそれらはその味の食材は使ってないのよ。」

「え!?」

「これ昨日ティーちゃんが採ってきたものなんだけど…」

昨日ティーちゃんが持っていたハチミツみたいなあれか…

「これはプリメアの樹液と言って温度や水分など少し条件を変えるだけで色んな味がする樹液なのよ。」

「そんなのがあるんですね。」

「ええ、使い方次第で絶品にも激怒マズにもなるの。」

「良かった…美味しいやつで…」

「条件表は本があるからそこまで酷いものにはならないわよ。」

「本を見ながら作ればいいですね。面白そう、私でも出来るかな?」

「やめときなさい!」キッパリ!

「でも本に書いているってさっき…」

「これよ!」

ルナールさんが出した紙はびっしりと温度や湿度、水分量や組み合わせ材料など細かく書かれていた。
うん、私には無理だ。頭がクラクラする。
ルナールさんはよく作れたな…

「止めておきます。」

「さて、そろそろ空間魔法の説明をするわね。」

「お願いします。」

やっと空間魔法について聞ける。
私も使えれば色々と役立てそう。
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