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11章

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カグリア 視点

あたしは片付けをしつつ長芋をどうするか考えていた。
ルナは今、黄金芋の保管だけで苦労しているはずだ。
それなのに小屋に入らない長芋があると知ったらどう反応するか検討つかない。

どうしたものかしら…

ふとあたしの近くにティーが使っているカゴが置いてあった。
ティーはこれに芋を入れるつもりだったようだ。
あとでティーに片付けさせるとしてあたしが気になったのは紙が何枚か入っていた。しかも、同じ紙だ。

一枚取り出し見てみると…

『来たれ最強野菜!!
トット魔導族領野菜コンテスト!!』

とデカデカと書いてあった。
どうやら参加用紙のようだ。

概要には、葉物、根菜、果実の部門に分かれて優勝生産者にはマグマ温泉宿宿泊券かブルーサファイア海岸ホテル宿泊券が貰えるらしい。
ブルーサファイア海岸は最近ようやく復興出来て来たらしく客を入れ始めたと聞いたわね。
マグマ温泉は神族には人気の場所だからあたし達なら断然こっちね。
リリス達には普通の温泉を楽しんで貰えばいいし…

しかし、優勝出来る野菜か…



あたしの目の前には巨大な長芋がある。
これなら優勝狙えるのではないか、そう思うのである。

よし!送ろうと!邪魔だし!
ルナには後で報告しよう。

あたしはペンを取り出し、必要事項を書き長芋に貼り付けた。
すると長芋は光だし消えた。
参加用紙には転移魔法が書かれており全てを記入し、送る物に貼り付けた魔力を流すと特定の場所に送られるように細工がされている。
これにより出荷の鮮度を保ち、妨害行為を防ぐことが出来る。

さて、問題は解決したわ!

「まーま!」

「ん?ティー?次の山ね。」

ティーは次の芋の山を取りに来たようだ。

「じゃあこれね。」

「あい!」

ティーは芋の山に張り付き転移した。
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