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12章

207 捜索

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キラティア 視点

僕は鹿を持ったまま座りリアママの指示を待った。
リアママは誰かと話しているみたいで僕には何も言って来なかった。

「ティー降ろしていいわよ。それと少しの間お留守番お願いね。」

ん?わかった!
ポイ!ズドン!

僕は鹿を投げ捨てると地面が揺れた。
そして、リアママも降ろしたようだ。

リアママとさっき見えなかったおじさんがこっちを見た。
とりあえず手を振っておこう!

あきゃ!ふりふり!

しかし、早く芋掘りしたい…
あれ?リアママどこか行くの?
何かくれるの?
わーい干し芋だ!食べる!

リアママから干し芋を受け取った僕はもぐもぐと食べ始めた。

もきゅもきゅもきゅもきゅ…

おじさん達もいる?

「あ?嬢ちゃんだけで食べな。」

そっか。

もきゅもきゅもきゅもきゅ…

「ティーちゃんいた!心配したんだよ。」ぎゅー…

お?リリ姉ちゃんだ!
干し芋いる?

「くれるの?ありがとう!」

リリ姉ちゃんは僕から干し芋を受け取ると僕を膝に乗せ干し芋を食べ始めた。
そして、しばらくして鹿の大人しかった方が目を覚ました。
僕はピコハンを構えたが何もしなかったので降ろした。
今度はちゃんと聞いてあげよう。

鹿が言うことはさっきと同じだった。

つまり、子供が戻れば大人しくなるわけね。
しょうがない。もきゅもきゅもきゅもきゅ…
今の僕は機嫌がいいから手伝ってあげよう!ごっくん。
何か子供のものある?

ブォ…

ふむふむ…首辺りに生え変わりで取れたツノがあるのね。
どれどれ…

カサカサ…

僕はリリ姉ちゃんから降り、鹿の毛の中を探し回りツノを見つけて戻って来た。

これ?

このツノでいいらしい。
僕はツノにしゃぶり付いた。

うん、獣臭い!ぶっ!
でも、魔力はわかった。
あとは探すだけ。
集中するから静かにね。

僕はアホ毛を回転させ空気を飲む…
すると似た魔力の味を感じる。
いくつか反応があった。
よし!1番近いのから行ってみるか!

シュン!

ん?転移した場所は暗く床がガタガタ揺れていた。
そして、僕の前には檻に入った子供がいっぱいいた。

「帰りたいよ。助けて…」

今にも泣きそうな子供がいっぱい!!



とりあえず確認しなきゃ!

「あ~あきゅきゅう!にゅーぶいぶい!あきゃ?」

あ~そこの鹿君!大きな鹿さんから頼まれたんだけど、あのさ…君のママ達ってでかい?

そういうと鹿君は首を縦に振った。
どうやら鹿さんの子供らしい。

他の子達も誘拐されたのかな?
面倒だし、この部屋ごと転移しよ!
さっきは大き過ぎたけど今回は大丈夫でしょ!

僕は床に貼り付き触っているモノ全てを転移した。

シュン!
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