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12章

208 脱走開始

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キラティア 視点

ドシン!

どうやら、転移はされたようだ。
さっきの鹿さんの近くに来ているはずだ。

『どわ!?な、なんだ!!急に景色が変わったぞ!』

外は騒がしいなぁ…

シュパン!シュパパパパ…

僕は鹿君の檻だけではなく全て檻ををアホ毛で切り、鹿君達を自由にした。
そして、僕は鹿君の腰に乗った。シュン!

「あ!?檻が!?逃げれる?」

中の子供達が騒ぎ出した。

「あきゃ!むきゅきゅう!あきゃー!!」

さぁ!鹿君!
助かりたければ全力で走れ!
己の力で自由を勝ち取れ!!

「なに?この子?」

魔物の子供達には今の言葉は聞こえたようだが、人の子達は聴こえていないようだ。

だが、そんなとこは知らん!
状況を察しろ!

行け!反撃の狼煙だ!

「あっきゃー!」

僕はピコハンを掲げ鹿君達に突進を命じた!
魔物の子供達と外に出るとまだ部屋だった。
だが、外は見えている。
もう少しだ!

「おい!ガキ達が逃げ出してるぞ!」

「チッ!こんな時に…大人しくしろガキども!」

「やだー!!助けて!!」

おっちゃん…じゃま!
ベシン!

「ぐあ!?」

「へ?」

「ふきゅ!あーきゃ!」

ほれ!黙ってついて来い!

僕達は襲い掛かる大人達を遊撃しつつ外を目指した。
大人達は僕達に勝てないと思ったのか次々と外に出て行った。
もちろん僕達も追って出る。

外に出るとさっきリアママと話していたおじさんと数人が外に出た大人達と戦っていた。

さて、僕のする事はなさそうだしリリ姉ちゃんの膝の上で干し芋を食べようかなぁ?

リリ姉ちゃんどこかな~?キョロキョロ…

子供達を外に出して気付いた。
あっ!馬車だ!

ルナママの買い物について行った時に見た形とは少し違うけど馬車だ。

「ティーちゃん!無事?」

リリ姉ちゃんだ!平気だよ。

「もう心配かけて!メ!!」グイグイ…

やー!!やー!!

リリ姉ちゃんにされても痛くないはずなのになんか痛みを感じた。
その後、解放されたので干し芋を食べ始めた。

もきゅもきゅ…

鹿君は大人しい鹿と顔を擦り合わせている。
早く芋掘りしたい。

「くそー!これでも喰らえ!」

目の周りに傷があるおっちゃんが黒い丸い物を投げた。

ドーン!

ビクン!?

空気がビリビリと震える僕は一瞬何も考えれなくなった。

「大人しくしろ!」

気が付くとリアママの知り合いのおっちゃんが傷のおっちゃんを縛りあげていた。

…はっ!?

びっくりした!!
そうだ。リリ姉ちゃんは大丈夫?

「…ティー?大丈夫?」(まだ大丈夫)

なんか小さく呟いたみたいだけど聞こえなかった。
じゃあ、おやつ再開!

もきゅもきゅもきゅもきゅ…
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