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14章

299 後継者

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レヴァン 視点

数時間後、俺はなんとか動く事が出来た。

「ふぅ…天凱無理をさせてすまなかったな。」

俺は壁に寄り掛かりブローチの天凱を手に話しかけた。

ナデナデ…

天凱はまた手を出し俺の頭を撫でた…
なんかキラティアがいる見たいでうぜー…

天凱を貰い受けて500年くらいか…
神器という強力過ぎる武器ゆえに使うことは数回だけ。
しかも祭りと称した神同士の闘いのみしか使う事がなかった。
神器を使えば純血神のキラティアでも軽くあしらえると思っていた。
だが、実際は俺の方が遊ばれていた。

別に嫉妬はあっても恨みはない。
むしろ俺に関わるなというのが俺の心だ。

だが、恐らくキラティアが創造神様の後継者になるのは間違いないと実感した。

現在の後継者候補はサンリオ様とムナーだ。
ルナールは上位神になれてない為に外されている。
普通なら創造神様の補佐をしているサンリオ様だと思う。
だが、それなら何故創造神様は隠居しないのか?という疑問に当たる。

それは何故か。
単純に2人とも力不足だからだ。
この地ライヤラルは創造神ライヤラル様の力で浮いている島だ。
そして、その下には最果ての地と呼ばれる土地が広がり、伝説級から神話級の魔獣がゴロゴロ住み着いている。
しかも、最果ての地は魔素が濃すぎて逆に魔法がほとんど使えない場所だ。
毎年命知らずの冒険者や神が挑み、そのほとんどが行方不明になっている。
そんな場所の上に浮いている島の動力源の創造神様から力不足の2人に代われば落ちる事は明白なのだ。
なので創造神様は隠居が出来ていないのだ。

もちろん創造神は負担を減らす為に神樹様を創造したり対策を取られていたが、知識族が神樹様を傷付けたり精霊を減らしたりと馬鹿な事をしている為、毎年数センチづつ降下しているらしい。

しかし最近、キラティアが産まれてから精霊が活発になったという報告を聞く様になった。

もちろんキラティアと精霊が活発になった事は関係ない…よな?
根も歯もない報告だが、それを信じた者達がキラティアを創造神様の後継者にと推す声が増えて来たわけだ。
しかもキラティアを創造神にさせようという声ではなく。
もう創造神の片足を突っ込んでいるんだから認めちゃえよ。というなんか実績あるんだから許可しなよ。いうノリなのだ。
キラティアが何かやらかしている。そう想像するのは容易い。
まぁ、恐らく今後公式に発表されるだろう。

キラティアが創造神…

なんか速攻でライヤラルを落として人々が住みやすいように環境を変えそうだな!!

…やりそうで笑えねぇ。

俺は疲れ切った身体を清める為、聖水を浴槽に張り浸かった。
疲れた時は聖水風呂に限る。

さっぱりした俺はそのまま寝床に入った。

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4/14 魔素が薄く→魔素が濃ゆすぎて逆に
に変更。
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