それって食べ物ですか？いいえ飲み物です。

14章

328 帰還方法

レヴァン　視点

「わっ！？キラティアちゃんが消えました！どうしましょう？」

「落ち着け、ただの転移だ。アイツが家に帰らなければすぐに戻って来るはずだ。帰らなければ…」

そう、あいつが帰って来なければ俺達は待ちぼうけだ。
1時間待って来なければ帰らせるか。

「…」

「…」

気まずい、結局キラティアが話題を掻っ攫っていったから話のネタを探さなくてはならなくなった。
あらかたの事情は聞いてしまったし何を話したら良いものか…

「あっ！そういえばお名前聞いてませんでした。」

忘れていた。

「そういえば名乗ってなかったな、この鍛冶屋の頭領のレヴァンだ。」

「レヴァンさんですね。えっと、レヴァンさんは元の世界に戻る方法を知っていたりしますか？」

「知っている。」

「そうですよね。知るわけ…えっ！？知っているんですか？」

彼女はお約束のボケをかましてくれた。
なら、こちらもボケないと無作法と言うもの。

「嘘だ。」

「そ、そうですよね。知らないですよね。」

美咲はしょんぼりしている。

「冗談だ。逆転移の方法は知っている。だが、どれも常人には難しい。」

「ど、どんな方法かあるですか？」

「俺の知っている方法は20種くらいだな。」

「…結構多いですね。」