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14章

329 面倒でも確実な帰還方法

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レヴァン視点

20種類とは言ったがもちろん危険な方法もまれている。
なので俺は比較的安全な方法を提示する事にした。

「まぁな。そうだな。一番やり方が簡単なのは…創造神様にお願いすることだ。創造神様が境界を開けば世界の影響も微々たるものだろう。」

「…え!?冗談ですよね?創造神様って創造教の神様ですよね。私みたいな一般人が会えるのでしょうか?」

悩む…答えて良いものか。
昨日、来ていたがそんな事は言えない。
というかキラティアに頼むという手もある。
俺には美咲を帰す方法を知っている。
だか、伝えていいのか悩む所だ。
なんの努力もせず答えを渡す事は美咲にとって良い事なのだろうか。

「会おうと思えば会える。ただやり方は簡単だか創造神様は知識族を嫌っている。会って願ったとして帰れるか正直俺にもわからん。」

やはり俺の方針に反するからダメだ。
少しは苦労させないないとな。
まぁ、今まで苦労しているようだから難易度は下げてやるがな。

「あの~なんで知識族を嫌っているんですか?」

「昔、知識族が創造神様の奥方様を傷付けてしまってな。それ以来知識族を嫌っておられる。だから、俺のオススメの帰還方法を教える。」

「はい。」

「時空管理課に帰還申請してゲートを開いてもらって帰る。」

「はい?時空管理課?申請すれば帰れるんですか?」

「申請と審査は面倒だが確実に帰れるぞ。」

時空管理課は神族領にある政府組織の一つで、転移者や時空を管理している。

「申請って、意外に簡単に帰れるんですね。」

「言っただろ常人には難しいと。」

「でも申請と審査受ければいいんですよね?」

「はぁ、いいかメモ取れ。」

「は、はい。」

美咲は慌ててバックから紙を取り出した。

「まず、申請用紙は教会に行けばもらえる。」

「…」メモメモ…

「その申請に神族の承認印が10個必要だ。」

「え?承認印ですか?」

「神族が報告書やら申請やらで使う印鑑だ。特に珍しいものではない。」

「では何が面倒なのですか?」

「神族が10人必要だという事だ。」

「あっ…」

神族は隠れて住んでいる。
教会に居る事があるが基本居ない。
俺も数人は場所は知っているが9人も知らない。
俺が近くで知っているのは冒険者ギルドにいるグラットンさんとアキレンスさんと歌バカくらいか。
あとは遠いからなぁ…

「まぁ、教会に通っていれば会えるだろ。そして、その申請書をクロノウェルさんに渡す…」

「え?クロノウェルさんって誰ですか?」

「クロノウェルさんは時空管理課ただ1人の職員だ。だから、クロノウェルさんを探して渡さないといかない。俺もどこにいるがわからん。」

「えー。郵送とか受付とかないんですか?」

「ない。まずは書類を作れ、クロノウェルさんは今度会った時に連絡手段を聞いとく。」

「え!?会えるんだったらその時に渡してもらう事は出来ないのですか?」

「神への申請は自らの手で行わなければならない。俺がクロノウェルさんに渡したら俺の願いになってしまう。まぁ、助け船は出してやるから頑張れ。」

「…はい。」

美咲は色々とショックを受けているようだ。
まさか書類申請で帰れるとは思わないだろう。

「あと、他の方法だと魔法陣や魔導具による帰還があるが止めておけ、専門家でないと何が起こるかわからん。昔、魔導具の暴走で街が消えた事がある。」

「ま、街がですか?」

「ああ、俺も詳しくは知らないが転移魔法の事故が原因らしい。死体や瓦礫が時空間に散乱していたらしく。片付けが大変だったらしい。」

「わ、わかりました。自力で帰ろうと頑張るつもりでしたけど申請の方にします。」

「そうしてくれ。」

「ただー!!」

キラティアが帰って来た。
女性の腕に抱かれて…
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