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1.お世話になりました
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私の名前はラナ。
魔術師見習いで冒険者をやってる18歳。
薄茶色の髪に、緑の瞳、服は黒いローブを着ている。
まだ見習いなので強い魔法は使えないけど、戦闘を重ねる毎に少しずつレベルも上がって来て現在はLv10にまでなった。
Lv10になると冒険者的には独り立ち出来たとされ、ギルドの依頼も増える。
ギルドと言うのは、冒険者達に仕事を依頼する場所。
例えば討伐系の依頼だったり、素材を集めるお使い系の依頼だったり様々ある。
そして私にはLv10になった時点で考えてたことがある。
私の故郷のロスラー村は森を抜けた先にある小さな村だった。
他の大きな街からは離れている為か、自給自足をする人も多く村人同士助け合って生きている。
私は幼い頃から冒険者になる事が夢だった。
誰かに憧れてと言うよりは、魔法を使う楽しさを知りもっと沢山の魔法に触れて見たくなったから。
その為にはレベルを上げなくてはならない。
私の中の選択肢で、一番早くレベルを上げられる方法が冒険者になる事だった。
他にも魔術学校とかもあったけど、お金が結構かかるので私には無理だと諦めた。
両親も心配はしてくれてるけど、私が本気で冒険者を目指している事を分かってくれている。
幼い頃から手伝いの合間に良く魔法の練習をしていてそれを見て来ているからだと思う。
ちなみにこの世界にいる人間には皆魔力が備わっている。
だから誰でも魔法を使うことが可能である。
もちろん戦闘用の魔法だけでなく、生活スキル的な魔法も多く存在している。
例えば火を起したり、風の力を使って服を乾かしたり。
この世界では魔法は身近な存在だった。
私には幼い頃から仲良くしている幼馴染がいる。
私より3歳年上のルイスだった。
ルイスは私にとっては優しいお兄ちゃん的存在で、私の事をいつも妹の様に可愛がってくれた。
金髪に緑の瞳で顔立ちも綺麗で、性格は少し…というか大分変わってるけど基本的には優しいのでルイスの事を狙ってる子は多いと思う。
私にとってのルイスは兄の様な存在でずっと育ってきたから恋愛感情は持ってない。
そして今から2年前の事だった。
私にとって兄の様な存在であるルイスが勇者に選ばれた。
村人達もこの村から勇者が出た事を光栄な事だと思い、自分の事の様に喜んだ。
もちろん私も喜んだ。
そして勇者に選ばれてから2か月後、この村を離れ各地を巡るために旅立つ事になった。
私が冒険者になりたい事はルイスも知っていたので、一緒に行こうと誘われた。
だけど私は足手まといになるからと一度は断った。
両親からはルイスと一緒なら安心出来ると言われ、後押しされる形で私はルイスと一緒に旅立つ事を決めこの村を離れた。
ルイスは勇者として選ばれた存在で、それを選出したのは王都の者達だった。
だから同行者になるパーティーメンバーも王都の方で集めたらしく、全員名高き凄腕ばかり。
完全に浮いていたのは私だった。
私はパーティーを組んだ当初から居心地の悪さを感じていた。
完全にお荷物状態になってるのは自分でも痛い程分かっていたし、ルイス以外のメンバーからは煙たがられ時折小言の様に嫌味を言われ続けていた。
だけどルイスだけは私に優しくしてくれた。
だからこそ今まで耐えてこられたんだと思う。
でも私はLv10になったらここを抜けることを考えていた。
私はこの勇者パーティーには必要がない人間であり、レベルに合ってないのも明白だった。
そしてついに、その日がやってきた。
ルイスと離れるのは少し寂しいけど、勇者として頑張って欲しいと遠くから応援しよう。
そして私は私の道を進むことを決意した。
いつか私も実力がついて並んで戦える日が来たら、その時はまた一緒にパーティーを組めたらいいな、と。
本当は直接挨拶をしてから抜けた方がいいのかもしれないけど、辛くなるから私は置手紙を残していく事にした。
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いままでお世話になりました。
私は自分の道を進みます。
魔王討伐、頑張ってください。
陰ながら応援しています。
ラナ
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魔術師見習いで冒険者をやってる18歳。
薄茶色の髪に、緑の瞳、服は黒いローブを着ている。
まだ見習いなので強い魔法は使えないけど、戦闘を重ねる毎に少しずつレベルも上がって来て現在はLv10にまでなった。
Lv10になると冒険者的には独り立ち出来たとされ、ギルドの依頼も増える。
ギルドと言うのは、冒険者達に仕事を依頼する場所。
例えば討伐系の依頼だったり、素材を集めるお使い系の依頼だったり様々ある。
そして私にはLv10になった時点で考えてたことがある。
私の故郷のロスラー村は森を抜けた先にある小さな村だった。
他の大きな街からは離れている為か、自給自足をする人も多く村人同士助け合って生きている。
私は幼い頃から冒険者になる事が夢だった。
誰かに憧れてと言うよりは、魔法を使う楽しさを知りもっと沢山の魔法に触れて見たくなったから。
その為にはレベルを上げなくてはならない。
私の中の選択肢で、一番早くレベルを上げられる方法が冒険者になる事だった。
他にも魔術学校とかもあったけど、お金が結構かかるので私には無理だと諦めた。
両親も心配はしてくれてるけど、私が本気で冒険者を目指している事を分かってくれている。
幼い頃から手伝いの合間に良く魔法の練習をしていてそれを見て来ているからだと思う。
ちなみにこの世界にいる人間には皆魔力が備わっている。
だから誰でも魔法を使うことが可能である。
もちろん戦闘用の魔法だけでなく、生活スキル的な魔法も多く存在している。
例えば火を起したり、風の力を使って服を乾かしたり。
この世界では魔法は身近な存在だった。
私には幼い頃から仲良くしている幼馴染がいる。
私より3歳年上のルイスだった。
ルイスは私にとっては優しいお兄ちゃん的存在で、私の事をいつも妹の様に可愛がってくれた。
金髪に緑の瞳で顔立ちも綺麗で、性格は少し…というか大分変わってるけど基本的には優しいのでルイスの事を狙ってる子は多いと思う。
私にとってのルイスは兄の様な存在でずっと育ってきたから恋愛感情は持ってない。
そして今から2年前の事だった。
私にとって兄の様な存在であるルイスが勇者に選ばれた。
村人達もこの村から勇者が出た事を光栄な事だと思い、自分の事の様に喜んだ。
もちろん私も喜んだ。
そして勇者に選ばれてから2か月後、この村を離れ各地を巡るために旅立つ事になった。
私が冒険者になりたい事はルイスも知っていたので、一緒に行こうと誘われた。
だけど私は足手まといになるからと一度は断った。
両親からはルイスと一緒なら安心出来ると言われ、後押しされる形で私はルイスと一緒に旅立つ事を決めこの村を離れた。
ルイスは勇者として選ばれた存在で、それを選出したのは王都の者達だった。
だから同行者になるパーティーメンバーも王都の方で集めたらしく、全員名高き凄腕ばかり。
完全に浮いていたのは私だった。
私はパーティーを組んだ当初から居心地の悪さを感じていた。
完全にお荷物状態になってるのは自分でも痛い程分かっていたし、ルイス以外のメンバーからは煙たがられ時折小言の様に嫌味を言われ続けていた。
だけどルイスだけは私に優しくしてくれた。
だからこそ今まで耐えてこられたんだと思う。
でも私はLv10になったらここを抜けることを考えていた。
私はこの勇者パーティーには必要がない人間であり、レベルに合ってないのも明白だった。
そしてついに、その日がやってきた。
ルイスと離れるのは少し寂しいけど、勇者として頑張って欲しいと遠くから応援しよう。
そして私は私の道を進むことを決意した。
いつか私も実力がついて並んで戦える日が来たら、その時はまた一緒にパーティーを組めたらいいな、と。
本当は直接挨拶をしてから抜けた方がいいのかもしれないけど、辛くなるから私は置手紙を残していく事にした。
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いままでお世話になりました。
私は自分の道を進みます。
魔王討伐、頑張ってください。
陰ながら応援しています。
ラナ
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応援ありがとうございます!
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