もう、見えなくなっちまった。

 最後にあいつの顔を見た時、あいつは校舎裏の芝生で四つん這いになっていた。

 よくマンガとかであるように小説を読んでたわけじゃなかった。タバコを吸ってた訳でもなかった。金髪の巻き毛には砂埃が付いていた。綺麗なお顔にもついていた。
 4月らしい春の青空の下、あいつは目を皿にして芝生に這いつくばっていた。
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