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本編
576 怠惰のと話も終わり。
これまでの話の総まとめるとしよう。
平定者と呼ばれる八大迷宮のダンジョンコアは、この世界の重要な存在。
過去に起こったどエラい厄災をなんとかしてしまった英雄にも近い存在。
それぞれ。
虚飾、怠惰、憂鬱、憤怒、傲慢、暴食、色欲、強欲。
こんな感じで名前が分かれており、それに沿った性格を持つ。
そんなダンジョンコアたちなのだが……。
俺には、なんとなくどエラいものを封印したしめ縄にしか思えなかった。
このバランスが崩壊してしまえば何かが起こるとスローフは案に告げている。
そこでキーマンとなって来るのが、うちのパンケーキ師匠。
その辺の意図を教えてもらうことはできなかったが、良いきっかけかもしれない。
そろそろ、ダンジョンをもう少し大きく拡大していくことへのきっかけだ。
今まで色々と忙しくて何もできてなかったからね。
内部のリソースを俺好みに、良い感じに作り上げるくらいしか、やってこなかった。
しかし、何かが起こるというのならば、避難先として作っておくのも良いかもしれない。
あんまりそういうことが起こって欲しくもないし、俺が過干渉をするべきでもない。
だって俺は、巻き込まれたただの異世界人なんだからね。
「ちなみに貴方のいうちっこいの……」
「んー?」
「ジュノーは今日も甘いものを食い漁ってますよ。なんとも重要には思えませんけど」
「今はそれで良いさ」
スローフは言う。
「嫌気がさして引きこもっちまうよりも、そっちの方がずっと良いだろ?」
「まあそうですけど」
ダンジョンコアって世界が嫌になって引きこもってる訳?
そうじゃないだろう、と言いたい。
本能ちっくなものが働いているとは思うのだけど……。
まあ、八大とされる規模まで行くと、そこからは解脱してくるもんか。
何かの使命を元に、そこにいる、という線引きで正しいだろう。
現状は、な。
「もー話すの疲れたから、今日はこの辺にしておくぞー」
寝転んだまま白旗をあげるように手を振るスローフに尋ねる。
「最後に一つ良いですかね?」
「まだあんのか……最後に一個だけだぞー? 2個だったら誇りを持って無視する」
「貴方は俺と同じ存在ですか?」
不平等条約、そして黒船来航。
この辺りから少し気になっていた、目の前にいる男の事。
俺のいた世界の史実にもそういうものがあったからな。
「…………正解」
少し間を空けた回答のあと、スローフは続ける。
「まっ、詳しくは来るべき時が来たら言うよ」
「あんまりそれは効率的じゃないですけどね」
効率重視のおサボりマンとしては、その選択は違うのでは?
そんなことを暗に告げると彼は言った。
「たまにはこういう形で物語っぽくした方が面白味もあるだろー?」
「そうですか」
「そうだ。いろんな事情込み込みで、俺はそろそろサボりに戻る」
「わかりました。では、そろそろ戻ります」
俺はそれだけ告げて、一人この場を後にする。
カリプソは送って行くと言っていたが、スローフが頭を退けてくれそうにないしな。
◇
帰りの長い長い道すがらで考えるのだが、得た情報は大きいと言える。
断片的なものが多いのだが、そういう存在がいるってことを知れた。
パズルを効率悪く作るような会話だったが……。
裏を返すと、あまり事情に巻き込まないようにしようということなのかもしれない。
怠惰と言えども、なんとなくすごかった昔の時代から生きて来た人だ。
その辺を良き具合にバランスをとって話してくれていたのだろう、としておく。
うん、それならそれで良い。
訳のわからん宿命を背負わなくて済む。
俺がやるべきことは、みんなが最後まで幸せに暮らせることだ。
困難に対して、火の粉を振り払うことをするが、鎮火は別の人の役目である。
それこそ。
勇者がやれば全部が全部丸く収まるのだが……。
すでに敵の手の内なんだよなあ……。
やはり、デプリの裏側の告発とか。
そういったことを優先的にやる必要性が出てきたと言える。
一緒に召喚された者同士のよしみとして。
最後の最後に、そこだけは手を貸そうと、そう思った。
「そう考えると、帰ってからの一仕事は重要な一手になるな」
帰り道の最中、そんなことを独り言ちる。
デプリに刺客を送り返すことは、かなり重要な役割を締めるのだ。
安全に、入念に。
その気持ちを忘れずに速やかに行おう。
はあ……けど、不安だな。
あまりこう言った作戦ごとは得意ではない。
本当に上手く行くかとか、そう言う自身がないのだ。
今までノリとか、サモンモンスたちの助言でなんとか動いてきたが……。
もし失敗した時のことを考えれば、なんとも言えない気持ちになる。
やばい話を聞いた後だから、余計にそう思った。
俺の行動が最悪の結果に結びついたらどうする?
そんな責任を俺は背負うことができるのかが、問題だ。
しかし、本当に、リアル、ガチのマジで。
よくよく考えるべき問題なんだろうな。
この因縁も、いつか終わらせなければいけないのだ。
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