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第七章・魔女狩り。5
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するとクリスは手をかざし短剣が出現させると、何のためらいもなく右手で短剣を握ると、左手の手首をズバッと切ってしまう。く、クリス!?
「きゃあ……ちょっと、クリス。あなた。何を考えているの!?」
早くお医者様に見せて治療しないと。手首から大量の血が地面にポタポタと垂れ落ちているではないか。このままだと出血多量で死んでしまうわ。
焦る私と違い、クリスは余裕の表情をしていた。顔色一つ変えない。
むしろレイナ様の前に近づいて行く。驚きと大量の血を見たレイナ様は真っ青な顔に。あまりの恐怖で最後には地面に座り込んでしまった。
全身ガタガタと震えているレイナ様の前に立つと見下ろすクリス。
「どうした? これぐらいの傷口。治癒で簡単に治せる範囲であろう? 本物の聖女ならな」
「あの……そ、それは……」
言葉にならないレイナ様は、ただ震える事しか出来なかった。
クリスをその姿を見ながら、やれやれと深いため息を吐く。相当呆れたのだろう。
「実に情けないな。こんな傷も治せないのに、自分は聖女だと言っているのか」
クリスは短剣を消すと右手を血で垂れている左手首にかざす。すると、一瞬で垂れていた血が止まり、あっという間に傷口が塞いでしまった。
えぇっ……クリスは、治癒能力も持っているの!?
周りの貴族達もざわざわと騒ぎ出す。クリスはクスッと笑っていた。
「あ、あなた……治癒能力も持っていたの?」
「母上、少し違いますね。私は『時を操る』能力も持っているだけです。今やったのは時間を少し操っただけ。左手だけ、能力で怪我をする前の状態に戻した。だから、この左手は怪我をする前の左手です」
能力に……そんな使い方があるの!? てっきり時間を少し止める程度しか出来ないと思っていた。まさか、そんな使い方があるなんて知らなかったわ。
それは門番であり、もう一人の後継者である彼だから出来る事だろうか?
しかし、それに焦ったのは聖皇様だった。
「どっちらにしても、彼女は聖女に間違いはない。異世界から神がお連れした偉大なる聖女様だ。我々の事を色々と導いて下さった。それに比べて、その者は失礼ではないのか? 犯罪まがいの事をして婚約破棄までなっておいて、今さら皇妃になるなんて、そんなの神が許される訳がない」
「そ、そうよ。この女は私を殺そうとして来たのよ!? なんで私が批判されないといけないのよ」
「きゃあ……ちょっと、クリス。あなた。何を考えているの!?」
早くお医者様に見せて治療しないと。手首から大量の血が地面にポタポタと垂れ落ちているではないか。このままだと出血多量で死んでしまうわ。
焦る私と違い、クリスは余裕の表情をしていた。顔色一つ変えない。
むしろレイナ様の前に近づいて行く。驚きと大量の血を見たレイナ様は真っ青な顔に。あまりの恐怖で最後には地面に座り込んでしまった。
全身ガタガタと震えているレイナ様の前に立つと見下ろすクリス。
「どうした? これぐらいの傷口。治癒で簡単に治せる範囲であろう? 本物の聖女ならな」
「あの……そ、それは……」
言葉にならないレイナ様は、ただ震える事しか出来なかった。
クリスをその姿を見ながら、やれやれと深いため息を吐く。相当呆れたのだろう。
「実に情けないな。こんな傷も治せないのに、自分は聖女だと言っているのか」
クリスは短剣を消すと右手を血で垂れている左手首にかざす。すると、一瞬で垂れていた血が止まり、あっという間に傷口が塞いでしまった。
えぇっ……クリスは、治癒能力も持っているの!?
周りの貴族達もざわざわと騒ぎ出す。クリスはクスッと笑っていた。
「あ、あなた……治癒能力も持っていたの?」
「母上、少し違いますね。私は『時を操る』能力も持っているだけです。今やったのは時間を少し操っただけ。左手だけ、能力で怪我をする前の状態に戻した。だから、この左手は怪我をする前の左手です」
能力に……そんな使い方があるの!? てっきり時間を少し止める程度しか出来ないと思っていた。まさか、そんな使い方があるなんて知らなかったわ。
それは門番であり、もう一人の後継者である彼だから出来る事だろうか?
しかし、それに焦ったのは聖皇様だった。
「どっちらにしても、彼女は聖女に間違いはない。異世界から神がお連れした偉大なる聖女様だ。我々の事を色々と導いて下さった。それに比べて、その者は失礼ではないのか? 犯罪まがいの事をして婚約破棄までなっておいて、今さら皇妃になるなんて、そんなの神が許される訳がない」
「そ、そうよ。この女は私を殺そうとして来たのよ!? なんで私が批判されないといけないのよ」
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