熱に濡れた夜を知らない
見た目も完璧で仕事も完璧にこなす丹野佑都。
昼間は笑顔で人と距離を保ち、夜は男たちと一夜限りの快楽に溺れる。
身体を重ねるたびに虚しさが増していくのに、それをやめられない。
そんなある日、大学時代の後輩・西園寺叶多と再会する。
無邪気で人懐っこく、恋愛にも肉体にも奔放な叶多との再会は、
佑都にとって心地よく、どこか危うい甘さを帯びていた。
一方、佑都の職場には、たったひとりだけ、
過去の傷を黙って見守る存在がいる──三つ上の従兄であり先輩でもある、吉川尚也。
快楽では埋まらない心の穴。
触れられたくないはずの過去に、再び向き合わされる日々。
そして叶多との肉体関係が深まる一方で、心はずっと尚也にだけ、少しずつ溶かされていく。
セックスのあとに泣いてしまう夜。
優しさが痛みに変わる瞬間。
そして、選ばれるべき愛とは何か──。
「どんな男にだって好きじゃないのに、抱かれていた」
その事実を直視したとき、丹野が最後に選ぶのは…。
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