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彼の彼4
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「彼氏はいない。お見合いは…家庭の事情」
「あー。家庭の事情ってアレか。親の会社の。浅野サンも金持ち設定だったもんね」
この口ぶり、浅野サン以外にも宮本くんの仕込んだ男が他にもいたのかもしれない。
もしかして、全員だったりして。
だとしたら、すごい執念。
そして、かなり性格曲がってる。
そこまで調べてあるんだったら、わざわざ聞かないで欲しい。
「じゃあ尚更、なんで昴との結婚断ったわけ?アイツ、相当金持ってるよ?」
それは、知ってる。
羽立くんとのお見合いの後、誘惑に負け、写真だけじゃなくて釣書も見てしまったから。
大学在学中に起業して、今はいくつかの会社を経営してるって書いてあったっけ。
「羽立くんとお見合いしたときは、父の会社の状況知らなかったから…」
「へえ、知ってたら断らなかったんだ?」
一気に刺々しくなった宮本くんの言葉に私が顔を上げると、彼の顔がすぐ目の前にあった。
「っわあっ!!」
驚いて仰け反ると、そのまま肩を押され、宮本くんにマウントをとられてしまった。
「えっと…これは何の冗談?」
「冗談じゃないよ。俺、元々ノンケだし。昴とは切れてるから今フリーだし。あんたも彼氏いないなら問題ないだろ?」
宮本くん…元々ノンケなのに、見合い相手(私)のところに乗り込んでくるほど羽立くんのこと好きなのか…じゃなくて!!
「もっ、問題大アリよっ!私のこと好きでも何でもないでしょ!?どーいーてー!!」
「いや、昴のことがなきゃ、俺あんたのこと、むしろ結構好きだけど」
「えっ」
全く予想していなかった台詞に、私の顔は情けないほどあっという間にのぼせ上がった。
「それに、金目当てで結婚しようとしてたくせに。セックスするのに好きとか嫌いとか言うのおかしくない?」
宮本くんが、言いながら私のブラウスのボタンを外し始めたところで、部屋のチャイムがピンポンと鳴った。
天の助けー!!
と、思ったのに。
「あんた…マジで何なの?」
宮本くんは唸るように呟くと、力任せに私のブラウスのボタンを引きちぎった。
「なっ!?やめてよ!!」
扉の向こうまで私の叫び声が聞こえたのか、チャイムが連打された。
それを聞いた宮本くんは苛立ちを隠さずに怒鳴った。
「鍵なら開いてる!!」
そういえば、一応見ず知らずの男を家に上げるってことで、こういう事態に備えて鍵開けてたんだ。
宅配のお兄さんなら、それなりに腕っぷしも強そうだ。
とりあえず、助かった。
でも、そう思ったのは束の間で。
「奏音さん!!」
勢いよく開いたドアから入って来たのは、羽立くんだった。
「あー。家庭の事情ってアレか。親の会社の。浅野サンも金持ち設定だったもんね」
この口ぶり、浅野サン以外にも宮本くんの仕込んだ男が他にもいたのかもしれない。
もしかして、全員だったりして。
だとしたら、すごい執念。
そして、かなり性格曲がってる。
そこまで調べてあるんだったら、わざわざ聞かないで欲しい。
「じゃあ尚更、なんで昴との結婚断ったわけ?アイツ、相当金持ってるよ?」
それは、知ってる。
羽立くんとのお見合いの後、誘惑に負け、写真だけじゃなくて釣書も見てしまったから。
大学在学中に起業して、今はいくつかの会社を経営してるって書いてあったっけ。
「羽立くんとお見合いしたときは、父の会社の状況知らなかったから…」
「へえ、知ってたら断らなかったんだ?」
一気に刺々しくなった宮本くんの言葉に私が顔を上げると、彼の顔がすぐ目の前にあった。
「っわあっ!!」
驚いて仰け反ると、そのまま肩を押され、宮本くんにマウントをとられてしまった。
「えっと…これは何の冗談?」
「冗談じゃないよ。俺、元々ノンケだし。昴とは切れてるから今フリーだし。あんたも彼氏いないなら問題ないだろ?」
宮本くん…元々ノンケなのに、見合い相手(私)のところに乗り込んでくるほど羽立くんのこと好きなのか…じゃなくて!!
「もっ、問題大アリよっ!私のこと好きでも何でもないでしょ!?どーいーてー!!」
「いや、昴のことがなきゃ、俺あんたのこと、むしろ結構好きだけど」
「えっ」
全く予想していなかった台詞に、私の顔は情けないほどあっという間にのぼせ上がった。
「それに、金目当てで結婚しようとしてたくせに。セックスするのに好きとか嫌いとか言うのおかしくない?」
宮本くんが、言いながら私のブラウスのボタンを外し始めたところで、部屋のチャイムがピンポンと鳴った。
天の助けー!!
と、思ったのに。
「あんた…マジで何なの?」
宮本くんは唸るように呟くと、力任せに私のブラウスのボタンを引きちぎった。
「なっ!?やめてよ!!」
扉の向こうまで私の叫び声が聞こえたのか、チャイムが連打された。
それを聞いた宮本くんは苛立ちを隠さずに怒鳴った。
「鍵なら開いてる!!」
そういえば、一応見ず知らずの男を家に上げるってことで、こういう事態に備えて鍵開けてたんだ。
宅配のお兄さんなら、それなりに腕っぷしも強そうだ。
とりあえず、助かった。
でも、そう思ったのは束の間で。
「奏音さん!!」
勢いよく開いたドアから入って来たのは、羽立くんだった。
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