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序章

2事件発生

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過保護すぎるお父様により邸で安静にと言われた。


「暇だわ」

「仕方ありませんわお嬢様、現在お邸では使用人の入れ替えをしております」

「は?」


昨日から私は別邸で過ごしているのだけど、そんなことをしていたのか!


「お嬢様にチョコを渡した侍女は解雇並びに、国外追放です。本来なら火あぶりかその場でギロチンでもよかったのですが…」

「ちょっと待ったぁぁぁ!」

なんて恐ろしい事を考えているの?
もしかして貴族とはそれが当たり前なのか?


そんなはずはない。

「カンナ馬車!今すぐお父様の所に!」

「お嬢様」

「じゃあ私一人で行く」

「…解りました」



私はほとんど脅しに近い言い回しをしてカンナに馬車を用意してもらいお父様の元に向かった。




既に本邸では数名の侍女が罰せられる寸前だった。



「待ったぁぁぁぁ!」

「お嬢様ぁぁぁ!」


馬車の窓から飛び出す私をカンナが悲鳴を上げるが、この際どうでも良い。


「レティー!なんて真似を」


「お父様!何をなさっているんですか」

「罪人を罰するのだ…って靴はどうした?何故裸足なのだ」

窓から飛び降りるのに危ないから脱ぎ捨てたのだけど、今はそんなことはいいのよ。


「彼女に何の罪がありましょうか」

「お前を殺そうとしたのだ」

「彼女が直接関わっている証拠は?一介の侍女でしかない彼女達にそのような真似ができますか…ただ渡されただけかもしれないではありませんか」

「しかし」

「第一中身を確認していない彼女は何も知らないかもしれません」

「だとしてもだ!侯爵家に仕える侍女であるなら…」

「無理を言わないでください」


お父様は譲らなかったが私も譲らない。

「彼女は見習い侍女です。実害はなかったんです」

「なかっただと!一歩間違えれば…」

「結果的に害はなかったではありませんか!許してくださらないなら私は家出します!」



見習い侍女に過ぎない彼女に何ができる?
開封した形跡がないのは、節度を持っているからだ。


「待て待て、家出って…」

「修道院に入って尼さんになります!」

「ダメだ!尼さんは許さんぞ!」

「旦那様!そう言う問題ですか!」


邸の前で私達は親子喧嘩勃発を繰り返した後に通りかかった人も立ち止まり悪目立ちしてしまった。


そんな中。


「どうか落ち着きくださいお二人共」

「ルクシオン殿下」

「え…」


ようやく周りをくるりと見渡すと私はやらかしてしまった。


これってまずくない?
悪役令嬢になる前にフラグを立たせてしまったんじゃ?



あれ?
でも、私はもう王太子殿下の婚約者じゃなくなったから問題なくない?


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