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第一章
11放課後
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学生活一日目。
悪役令嬢デビューを果たした私は授業にもなんとかついていけた。
「これもアンネローゼ様のおかげだわ」
入試前にスパルタ教育を受けたおかげでなんとかなった。
とは言え、油断禁物だ。
「悪役令嬢が留年なんてアウトだものね」
前世の頃から勉強が全くダメな私は油断大敵だ。
部活をする暇もなく図書館通いが続いていた私は障害にぶち当たっていた。
「くっ…次の抜き打ちテストがまずいわ。まずすぎる」
私は理系がめっぽう苦手だ。
文系はそれなりだったが数式が大の苦手だった。
「大体、教科書にもっと詳しく載ってないの?私でも解るようにして欲しいわ…世間が皆天才と思わないで欲しいわ。私は社交界一のポンコツ令嬢よ?お馬鹿なのよ?」
綺麗に書かれたノート。
ルクシオン様がの勉強が苦手な私に用意してくれたが、馬鹿な私には理解できない。
「殿下もご自分が天才だからって凡人以下の私の頭を少しぐらい理解してくれても良いのに」
一人ブツブツ言いながら悶々とすると。
「ブッ!」
「ん?」
「失礼…」
隣で吹き出す男子生徒に出くわす。
「さっきから独り言をブツブツ言っているのが聞こえて…まさか噂の令嬢が馬鹿…失礼」
「私を馬鹿と?」
何だこの人は。
いきなり話しかけて来て失礼な。
「私は大馬鹿です!そのへんの中途半端な馬鹿と一緒にしないでください!」
「いや、否定する所だろう」
その変な少しお馬鹿な生徒と一緒にしないで欲しい。
「ちなみに私は補欠で合格して、抜き打ちテストで赤点ギリギリ。どうです」
「どうですって…て、何でその教本を選んだんですか」
「一番カラフルで見やすいから」
「これは大学の教本です」
「え…」
そうだったの?
だからさっぱりポンだったのか。
「というか、何ですこのノートは。同じ単語がびっしりで」
「覚えるのは書くのが一番でしょう?」
「このカセットは…」
「後は耳で覚えれば完璧です」
外国語は耳で覚えるべく録音したものだ。
空き時間に勉強できるように暗器カードもばっちりだ。
しかし容量の悪い私は他の人よりも倍の時間がかかる。
「それでその教科書は?」
「今度の小テストです。とりあえず丸暗記を」
半分は覚えた。
虫食い問題はそれ程嫌いじゃない。
だって覚えればよいだけだ。
問題は数学や読解問題は苦手だった。
「それ全部覚えられたんですか」
「はい」
「信じられない」
やっぱり馬鹿すぎて飽きられたのだろうか?
「お二人共何をなさっているんですの!」
その時だ。
黄色い声が聞こえた振り返ると何故かヒロインがいた。
悪役令嬢デビューを果たした私は授業にもなんとかついていけた。
「これもアンネローゼ様のおかげだわ」
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前世の頃から勉強が全くダメな私は油断大敵だ。
部活をする暇もなく図書館通いが続いていた私は障害にぶち当たっていた。
「くっ…次の抜き打ちテストがまずいわ。まずすぎる」
私は理系がめっぽう苦手だ。
文系はそれなりだったが数式が大の苦手だった。
「大体、教科書にもっと詳しく載ってないの?私でも解るようにして欲しいわ…世間が皆天才と思わないで欲しいわ。私は社交界一のポンコツ令嬢よ?お馬鹿なのよ?」
綺麗に書かれたノート。
ルクシオン様がの勉強が苦手な私に用意してくれたが、馬鹿な私には理解できない。
「殿下もご自分が天才だからって凡人以下の私の頭を少しぐらい理解してくれても良いのに」
一人ブツブツ言いながら悶々とすると。
「ブッ!」
「ん?」
「失礼…」
隣で吹き出す男子生徒に出くわす。
「さっきから独り言をブツブツ言っているのが聞こえて…まさか噂の令嬢が馬鹿…失礼」
「私を馬鹿と?」
何だこの人は。
いきなり話しかけて来て失礼な。
「私は大馬鹿です!そのへんの中途半端な馬鹿と一緒にしないでください!」
「いや、否定する所だろう」
その変な少しお馬鹿な生徒と一緒にしないで欲しい。
「ちなみに私は補欠で合格して、抜き打ちテストで赤点ギリギリ。どうです」
「どうですって…て、何でその教本を選んだんですか」
「一番カラフルで見やすいから」
「これは大学の教本です」
「え…」
そうだったの?
だからさっぱりポンだったのか。
「というか、何ですこのノートは。同じ単語がびっしりで」
「覚えるのは書くのが一番でしょう?」
「このカセットは…」
「後は耳で覚えれば完璧です」
外国語は耳で覚えるべく録音したものだ。
空き時間に勉強できるように暗器カードもばっちりだ。
しかし容量の悪い私は他の人よりも倍の時間がかかる。
「それでその教科書は?」
「今度の小テストです。とりあえず丸暗記を」
半分は覚えた。
虫食い問題はそれ程嫌いじゃない。
だって覚えればよいだけだ。
問題は数学や読解問題は苦手だった。
「それ全部覚えられたんですか」
「はい」
「信じられない」
やっぱり馬鹿すぎて飽きられたのだろうか?
「お二人共何をなさっているんですの!」
その時だ。
黄色い声が聞こえた振り返ると何故かヒロインがいた。
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