ずっと妹と比べられてきた壁顔令嬢ですが、幸せになってもいいですか?
ルミシカは聖女の血を引くと言われるシェンブルク家の長女に生まれ、幼いころから将来は王太子に嫁ぐと言われながら育てられた。
しかし彼女よりはるかに優秀な妹ムールカは美しく、社交的な性格も相まって「彼女こそ王太子妃にふさわしい」という噂が後を絶たない。
約束された将来を重荷に感じ、家族からも冷遇され、追い詰められたルミシカは次第に自分を隠すように化粧が厚くなり、おしろいの塗りすぎでのっぺりした顔を周囲から「壁顔令嬢」と呼ばれて揶揄されるようになった。
未来の夫である王太子の態度も冷たく、このまま結婚したところでよい夫婦になるとは思えない。
運命に流されるままに生きて、お飾りの王妃として一生を送ろう、と決意していたルミシカをある日、城に滞在していた雑技団の道化師が呼び止めた。
「きったないメイクねえ! 化粧品がかわいそうだとは思わないの?」
ルールーと名乗った彼は、半ば強引にルミシカに化粧の指導をするようになり、そして提案する。
「二か月後の婚約披露宴で美しく生まれ変わったあなたを見せつけて、周囲を見返してやりましょう!」
彼の指導の下、ルミシカは周囲に「美しい」と思われるためのコツを学び、変化していく。
しかし周囲では、彼女を婚約者の座から外すために画策する者もいることに、ルミシカはまだ気づいていない。
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