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11-12 重臣の死
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「おい!オズワルドッ!どういうことだっ?!何故勝手に自分が指揮官になっておるのだっ?!」
「そうだっ!たかが一介の騎士のくせに……貴様何様のつもりだっ!」
謁見の間に、怒りに満ちたバルドとドミニコの声が響き渡る。
2人の前には勝手に占拠した謁見の間で膝を組み、毛皮を敷いた椅子の上に堂々と座るオズワルドの姿があった。
謁見の間に設置してある3台の暖炉には赤々と炎が燃え、部屋を温めている。
オズワルドは既に自分がアイゼンシュタットの城主になったかのような振舞をバルドとドミニコの前で堂々と取っていたのだ。
「全く…うるさい輩どもだ……。一体誰のお陰で東塔に住む我らがこの城を占拠出来たと思うのだ?」
オズワルドは手にしていたコーヒーを飲みながら、2人を睨みつけた。
「煩いっ!どこの下賤な血が混じっているような貴様と我らを一緒にするなっ!」
「そうだ!途中からこの城にやってきた貴様などに勝手にさせぬぞっ!」
憤慨して真っ赤になるドミニコとバルドの態度にオズワルドの我慢は限界に達していた。
「黙れっ!貴様らは一度でも我らのように戦場に赴き、戦った経験はあるのか?!泥や血にまみれ……寒さや飢えと戦いながら敵と剣を交えて殺し合ったことが一度でもあるとでもっ?!いつもいつも我らばかりを働かせ……貴様らは安全な場所で指揮をとるだけ。ランベールは死んだのだっ!貴様らにはもう後ろ盾などないっ!」
オズワルドの怒声にひるみながらもドミニコは言い返した。
「き、貴様‥‥よりにもよってアイゼンシュタットの血を引くランベール様を呼び捨てにするとは‥‥!」
「フン!何がアイゼンシュタットの血を引く…だ。所詮奴の母親は娼婦だったではないか!あのような奴がこの城の城主になろうとは笑わせてくれるっ!ミカエルとウリエルだってそうだっ!ランベールが遊びで抱いた女に産ませた子供たちではないか!ランベールは所詮お飾りでしかない!だから俺が奴を殺したっ!卑しい血を引く癖に、この城の城主になろうなどと愚かな願望をいつまでも抱いていたからな!」
その言葉にドミニコとバルドの顔が青ざめた。
「な、何だと‥‥き、貴様が‥‥ランベール様を殺したのか…?」
バルドが震えながら尋ねた。
するとオズワルドは不敵な笑みを浮かべた。
「ああ……そうだ。俺が殺した。まさかランベールがエルウィンの妻としてこの城にやってきた女に手を出そうとするとはな‥…全く愚か者だ。流石の奴もエルウィンの逆鱗に触れて地下牢に入れられることになるとは思ってもいなかっただろう…」
クックックと肩を震わせながらオズワルドは楽し気に笑う。
「ま、まさか‥‥それでは……?」
ドミニコの顔が青ざめる。
「その通り。俺が奴を殺した。あの夜…地下牢に行くとランベールの奴、嬉しそうに駆け寄ってきたのだ。恐らく俺が地下牢から出してくれるのだろと思ったのだろうな?そこで、一突きで胸を剣で貫いてやった。あ奴……信じられないと言わんばかりの目で俺を見ながら絶命しおったわ。アーハッハッハッ!」
オズワルドはおかしくてたまらないと言わんばかりに高笑いをした。
「お、おのれ…貴様‥‥!」
「よくも我らの希望のお方を…!!」
悔し気に唸るドミニコとバルドにオズワルドは怒鳴りつけた。
「煩いハエどもめっ!貴様らはこの城に不要だっ!」
オズワルドは素早く腰の剣を引き抜くと、一瞬で傍らにいたバルドの心臓を貫いた。
ズブリと鈍い音を立てて身体を貫通されて絶命するバルドの姿を見てドミニコは悲鳴を上げた。
「ひぃいいいっ!!」
腰が抜けそうになりながらもその場を走り去ろうとするドミニコをオズワルドが逃がすはずは無かった。
オズワルドは逃げようとするドミニコめがけて拳銃を取り出すと、引き金を弾いた。
バーンッ!!
謁見の間に銃声が響き渡る。
射撃の名手でもあるオズワルドは的確にドミニコの心臓を撃ち抜いた。
そのまま倒れこみ絶命するドミニコを目にすると、オズワルドは声を上げた。
「誰かこの邪魔な死体を片付けろっ!」
「「はっ!」」
すると謁見の間の付近に待機していた2人の兵士が室内に入って来た。
「アイツ等を処分しろ」
「「承知致しました!」」
兵士は敬礼すると、それぞれ絶命したバルドとドミニコの死体を引きずるように部屋の外へと運び出していく。
「全く……もっと早くに殺しておくべきだった……」
オズワルドはため息をつくと、持っていた予備の剣の手入れを始めた。
(フフフ…早く来い。エルウィン。貴様は俺が必ず討ち取ってやる‥‥。こちらには何しろ人質がいるのだ。いくら奴とて、ミカエルとウリエルを盾に取られては何も出来まい…)
ほくそ笑むオズワルドはすっかり油断していた。
まさか地下牢のロイがミカエルとウリエルの元に向かっているとは思ってもいなかったのだった――。
「そうだっ!たかが一介の騎士のくせに……貴様何様のつもりだっ!」
謁見の間に、怒りに満ちたバルドとドミニコの声が響き渡る。
2人の前には勝手に占拠した謁見の間で膝を組み、毛皮を敷いた椅子の上に堂々と座るオズワルドの姿があった。
謁見の間に設置してある3台の暖炉には赤々と炎が燃え、部屋を温めている。
オズワルドは既に自分がアイゼンシュタットの城主になったかのような振舞をバルドとドミニコの前で堂々と取っていたのだ。
「全く…うるさい輩どもだ……。一体誰のお陰で東塔に住む我らがこの城を占拠出来たと思うのだ?」
オズワルドは手にしていたコーヒーを飲みながら、2人を睨みつけた。
「煩いっ!どこの下賤な血が混じっているような貴様と我らを一緒にするなっ!」
「そうだ!途中からこの城にやってきた貴様などに勝手にさせぬぞっ!」
憤慨して真っ赤になるドミニコとバルドの態度にオズワルドの我慢は限界に達していた。
「黙れっ!貴様らは一度でも我らのように戦場に赴き、戦った経験はあるのか?!泥や血にまみれ……寒さや飢えと戦いながら敵と剣を交えて殺し合ったことが一度でもあるとでもっ?!いつもいつも我らばかりを働かせ……貴様らは安全な場所で指揮をとるだけ。ランベールは死んだのだっ!貴様らにはもう後ろ盾などないっ!」
オズワルドの怒声にひるみながらもドミニコは言い返した。
「き、貴様‥‥よりにもよってアイゼンシュタットの血を引くランベール様を呼び捨てにするとは‥‥!」
「フン!何がアイゼンシュタットの血を引く…だ。所詮奴の母親は娼婦だったではないか!あのような奴がこの城の城主になろうとは笑わせてくれるっ!ミカエルとウリエルだってそうだっ!ランベールが遊びで抱いた女に産ませた子供たちではないか!ランベールは所詮お飾りでしかない!だから俺が奴を殺したっ!卑しい血を引く癖に、この城の城主になろうなどと愚かな願望をいつまでも抱いていたからな!」
その言葉にドミニコとバルドの顔が青ざめた。
「な、何だと‥‥き、貴様が‥‥ランベール様を殺したのか…?」
バルドが震えながら尋ねた。
するとオズワルドは不敵な笑みを浮かべた。
「ああ……そうだ。俺が殺した。まさかランベールがエルウィンの妻としてこの城にやってきた女に手を出そうとするとはな‥…全く愚か者だ。流石の奴もエルウィンの逆鱗に触れて地下牢に入れられることになるとは思ってもいなかっただろう…」
クックックと肩を震わせながらオズワルドは楽し気に笑う。
「ま、まさか‥‥それでは……?」
ドミニコの顔が青ざめる。
「その通り。俺が奴を殺した。あの夜…地下牢に行くとランベールの奴、嬉しそうに駆け寄ってきたのだ。恐らく俺が地下牢から出してくれるのだろと思ったのだろうな?そこで、一突きで胸を剣で貫いてやった。あ奴……信じられないと言わんばかりの目で俺を見ながら絶命しおったわ。アーハッハッハッ!」
オズワルドはおかしくてたまらないと言わんばかりに高笑いをした。
「お、おのれ…貴様‥‥!」
「よくも我らの希望のお方を…!!」
悔し気に唸るドミニコとバルドにオズワルドは怒鳴りつけた。
「煩いハエどもめっ!貴様らはこの城に不要だっ!」
オズワルドは素早く腰の剣を引き抜くと、一瞬で傍らにいたバルドの心臓を貫いた。
ズブリと鈍い音を立てて身体を貫通されて絶命するバルドの姿を見てドミニコは悲鳴を上げた。
「ひぃいいいっ!!」
腰が抜けそうになりながらもその場を走り去ろうとするドミニコをオズワルドが逃がすはずは無かった。
オズワルドは逃げようとするドミニコめがけて拳銃を取り出すと、引き金を弾いた。
バーンッ!!
謁見の間に銃声が響き渡る。
射撃の名手でもあるオズワルドは的確にドミニコの心臓を撃ち抜いた。
そのまま倒れこみ絶命するドミニコを目にすると、オズワルドは声を上げた。
「誰かこの邪魔な死体を片付けろっ!」
「「はっ!」」
すると謁見の間の付近に待機していた2人の兵士が室内に入って来た。
「アイツ等を処分しろ」
「「承知致しました!」」
兵士は敬礼すると、それぞれ絶命したバルドとドミニコの死体を引きずるように部屋の外へと運び出していく。
「全く……もっと早くに殺しておくべきだった……」
オズワルドはため息をつくと、持っていた予備の剣の手入れを始めた。
(フフフ…早く来い。エルウィン。貴様は俺が必ず討ち取ってやる‥‥。こちらには何しろ人質がいるのだ。いくら奴とて、ミカエルとウリエルを盾に取られては何も出来まい…)
ほくそ笑むオズワルドはすっかり油断していた。
まさか地下牢のロイがミカエルとウリエルの元に向かっているとは思ってもいなかったのだった――。
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