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17-2 驚く人々
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エルウィン達がアイゼンシュタット城へ帰還した話は速やかに城中に伝えられた。
勿論ミカエルとウリエルの元にもその話は届けられた。その頃2人は家庭教師のもとで勉強中であり、話を伝えに来た騎士の話に目を輝かせた。
「え?!エルウィン様とリアが戻ってきたの?!」
ミカエルが開いていた本を閉じた。
「はい、今謁見の間におられます」
騎士が恭しく頭を下げる。
「早く会いに行こうよ!」
「うん!」
ミカエルが立ち上がると、ウリエルも椅子から飛び降りた。
「え?!お待ち下さい!お2人とも!」
歴史の授業で城に招かれていた男性教師が必死で呼び止めるにも関わらず、2人は教室を飛び出して行ってしまった。そして慌てて後を追うように走っていく騎士。
そして部屋には呆気に取られた教師が1人、残された――。
****
その頃、エルウィンは謁見の間に集められた騎士たちや使用人たちと話をしていた。その中には勿論シュミットやスティーブ、エデルガルトの姿もある。
ただ、アリアドネだけは先に自室に戻っていたのでこの場に姿は無い。
「皆、俺のいない間何か変わりは無かったか?」
「はい。越冬期間があけたばかりということもあり、まだ山脈には雪が多く残っております。その影響のお陰か、周辺諸国では怪しげな動きは今の所見られません」
スティーブが報告する。
「交代で見張り台から双眼鏡で海岸線も確認しておりますが、怪しい船の出入りもありません」
エデルガルトが次に説明した。その言葉に頷くエルウィン。
すると別の騎士が手を上げた。
「エルウィン様!私の妻が3日前に子供を出産しました!」
「おめでとう!ついにお前も父親になったのか?」
エルウィンが嬉しそうに笑みを浮かべる。
「はい!私は5日前に結婚しました!」
更に別の若い騎士がエルウィンに報告する。
「そうか?それはめでたい話じゃないか」
「それで?エルウィン様はいつアリアドネ様と婚姻されるのですか?」
「え?お、俺かっ?!」
1人の騎士の質問に、とたんに顔を赤くさせるエルウィン。その姿にその場にいた全員が驚き、あたりは一瞬で水を打ったように静かになってしまった。
まさか『戦場の暴君』と呼ばれて恐れられているエルウィンが女性の話で狼狽えて顔を赤らめるとは思いもしなかったからだ。
「そうか……俺の話か……」
エルウィンは腕組みしながら完全に考え込んでしまった。その姿にだいぶ見慣れていたマティアス達はともかく、シュミットやスティーブ達が驚くのは無理もなかった。
「おい……あそこにいるのは……エルウィン様だよな……?」
呆然とした様子でシュミットは隣にいるシュミットに小声で尋ねた。
「ああ、そうだ。紛うこと無くエルウィン様だ。信じられないことに……」
勿論長年エルウィンの師匠として彼に仕えていたエデルガルトにしてもそうだった。
「まさか……エルウィン様がここまで変わられるとは……」
そしてこの場にいる誰もが思った。
恋とは人を変えるものだ――と。
勿論ミカエルとウリエルの元にもその話は届けられた。その頃2人は家庭教師のもとで勉強中であり、話を伝えに来た騎士の話に目を輝かせた。
「え?!エルウィン様とリアが戻ってきたの?!」
ミカエルが開いていた本を閉じた。
「はい、今謁見の間におられます」
騎士が恭しく頭を下げる。
「早く会いに行こうよ!」
「うん!」
ミカエルが立ち上がると、ウリエルも椅子から飛び降りた。
「え?!お待ち下さい!お2人とも!」
歴史の授業で城に招かれていた男性教師が必死で呼び止めるにも関わらず、2人は教室を飛び出して行ってしまった。そして慌てて後を追うように走っていく騎士。
そして部屋には呆気に取られた教師が1人、残された――。
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その頃、エルウィンは謁見の間に集められた騎士たちや使用人たちと話をしていた。その中には勿論シュミットやスティーブ、エデルガルトの姿もある。
ただ、アリアドネだけは先に自室に戻っていたのでこの場に姿は無い。
「皆、俺のいない間何か変わりは無かったか?」
「はい。越冬期間があけたばかりということもあり、まだ山脈には雪が多く残っております。その影響のお陰か、周辺諸国では怪しげな動きは今の所見られません」
スティーブが報告する。
「交代で見張り台から双眼鏡で海岸線も確認しておりますが、怪しい船の出入りもありません」
エデルガルトが次に説明した。その言葉に頷くエルウィン。
すると別の騎士が手を上げた。
「エルウィン様!私の妻が3日前に子供を出産しました!」
「おめでとう!ついにお前も父親になったのか?」
エルウィンが嬉しそうに笑みを浮かべる。
「はい!私は5日前に結婚しました!」
更に別の若い騎士がエルウィンに報告する。
「そうか?それはめでたい話じゃないか」
「それで?エルウィン様はいつアリアドネ様と婚姻されるのですか?」
「え?お、俺かっ?!」
1人の騎士の質問に、とたんに顔を赤くさせるエルウィン。その姿にその場にいた全員が驚き、あたりは一瞬で水を打ったように静かになってしまった。
まさか『戦場の暴君』と呼ばれて恐れられているエルウィンが女性の話で狼狽えて顔を赤らめるとは思いもしなかったからだ。
「そうか……俺の話か……」
エルウィンは腕組みしながら完全に考え込んでしまった。その姿にだいぶ見慣れていたマティアス達はともかく、シュミットやスティーブ達が驚くのは無理もなかった。
「おい……あそこにいるのは……エルウィン様だよな……?」
呆然とした様子でシュミットは隣にいるシュミットに小声で尋ねた。
「ああ、そうだ。紛うこと無くエルウィン様だ。信じられないことに……」
勿論長年エルウィンの師匠として彼に仕えていたエデルガルトにしてもそうだった。
「まさか……エルウィン様がここまで変わられるとは……」
そしてこの場にいる誰もが思った。
恋とは人を変えるものだ――と。
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