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17-25 戦闘開始
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「弓部隊!!矢の準備だ!!」
エルウィンが馬上から指揮する。
『はいっ!!』
エルウィンの背後から10名の騎士が馬上からギリギリと弓を引き絞る。
「放て!!」
その声と同時に騎士たちは一斉に弓を放つ。弓は一斉に音を立ててカルタン族に襲いかかる。
「グアッ!!」
「ギャアッ!!」
「ゥグッ!!」
前方にいるカルタン族の何人かに弓が直撃する。
「気をつけろっ!!く、来るぞっ!!」
「剣を構えろっ!!」
「迎え撃てーっ!!」
焦り混じりのカルタン族達の列に突っ込んでいくアイゼンシュタットの騎士達。
「貴様ら!!覚悟しろーっ!!」
剣を構えたエルウィンの怒声が『ウルス』の村に響き渡った――。
**
一方その頃――。
「う……」
睡眠薬で眠らされていたアリアドネが呻きながら目を開けた。すると、天井付近にある窓から太陽が差し込んでいることに気づいてゆっくり身体を起こした。
見ると、そこはホコリを被った掃除用具や農作業の道具、壊れた椅子やテーブルが乱雑に置かれている。
「こ、ここは……?どうして私、こんなところに……」
(確か、宿屋の食堂でお茶を飲んでいたはずなのに……?)
途中で急激な眠気に襲われたところまでは覚えている。しかし、そこから先の記憶が無い。
「そ、そうだわ!ヨゼフさん!」
辺りを見渡すと、倉庫の奥で倒れているヨゼフを発見した。
「ヨゼフさんっ!!」
慌てて駆け寄り、ヨゼフの顔を覗き込むと寝息が聞こえる。
「良かった……無事で……だけど、ここは一体何処なのかしら……?」
その時――。
ドドドドド……ッ!
突然激しい地響きが起こった。
「え?な、何?!」
そして次の瞬間……
キィンッ!!
ガキーンッ!!
「ギャアアアッ!!」
「い、一体何が起こっているの…??」
突然の激しい騒ぎにアリアドネは震えが止まらない。すると……。
「う……ん……」
ヨゼフが瞼を開けた。
「あ!ヨゼフさん!目が覚めたのですね!」
「アリアドネ………?こ、ここは……?」
そして、すぐにヨゼフは村の異常な様子に気付いた。
台地が激しく揺れ、怒声や叫び声に金属同士が激しくぶつかり合う音。
「アリアドネ!外の騒ぎは一体何だね?!」
「それが……私にも良く分からないのです」
首を振るアリアドネ。
「窓から様子を伺おう」
「はい!」
2人は急いで窓に向かい、外を覗き込んで息を呑んだ。
そこにはアイゼンシュタットの騎士たちが、見知らぬ男たちと激しい戦いを繰り広げている真っ最中だったのだ。
「一体……何があったというのだ……」
ヨゼフは震えながら呟く。
「さ、さぁ……私にはさっぱり分かりません……」
まさかアリアドネは自分たちを助けに騎士たちが現れたとは思いもしていなかった。
その時――。
バンッ!!
突然激しい音を立てて扉が開かれ、ある人物が2人の前に現れた――。
エルウィンが馬上から指揮する。
『はいっ!!』
エルウィンの背後から10名の騎士が馬上からギリギリと弓を引き絞る。
「放て!!」
その声と同時に騎士たちは一斉に弓を放つ。弓は一斉に音を立ててカルタン族に襲いかかる。
「グアッ!!」
「ギャアッ!!」
「ゥグッ!!」
前方にいるカルタン族の何人かに弓が直撃する。
「気をつけろっ!!く、来るぞっ!!」
「剣を構えろっ!!」
「迎え撃てーっ!!」
焦り混じりのカルタン族達の列に突っ込んでいくアイゼンシュタットの騎士達。
「貴様ら!!覚悟しろーっ!!」
剣を構えたエルウィンの怒声が『ウルス』の村に響き渡った――。
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一方その頃――。
「う……」
睡眠薬で眠らされていたアリアドネが呻きながら目を開けた。すると、天井付近にある窓から太陽が差し込んでいることに気づいてゆっくり身体を起こした。
見ると、そこはホコリを被った掃除用具や農作業の道具、壊れた椅子やテーブルが乱雑に置かれている。
「こ、ここは……?どうして私、こんなところに……」
(確か、宿屋の食堂でお茶を飲んでいたはずなのに……?)
途中で急激な眠気に襲われたところまでは覚えている。しかし、そこから先の記憶が無い。
「そ、そうだわ!ヨゼフさん!」
辺りを見渡すと、倉庫の奥で倒れているヨゼフを発見した。
「ヨゼフさんっ!!」
慌てて駆け寄り、ヨゼフの顔を覗き込むと寝息が聞こえる。
「良かった……無事で……だけど、ここは一体何処なのかしら……?」
その時――。
ドドドドド……ッ!
突然激しい地響きが起こった。
「え?な、何?!」
そして次の瞬間……
キィンッ!!
ガキーンッ!!
「ギャアアアッ!!」
「い、一体何が起こっているの…??」
突然の激しい騒ぎにアリアドネは震えが止まらない。すると……。
「う……ん……」
ヨゼフが瞼を開けた。
「あ!ヨゼフさん!目が覚めたのですね!」
「アリアドネ………?こ、ここは……?」
そして、すぐにヨゼフは村の異常な様子に気付いた。
台地が激しく揺れ、怒声や叫び声に金属同士が激しくぶつかり合う音。
「アリアドネ!外の騒ぎは一体何だね?!」
「それが……私にも良く分からないのです」
首を振るアリアドネ。
「窓から様子を伺おう」
「はい!」
2人は急いで窓に向かい、外を覗き込んで息を呑んだ。
そこにはアイゼンシュタットの騎士たちが、見知らぬ男たちと激しい戦いを繰り広げている真っ最中だったのだ。
「一体……何があったというのだ……」
ヨゼフは震えながら呟く。
「さ、さぁ……私にはさっぱり分かりません……」
まさかアリアドネは自分たちを助けに騎士たちが現れたとは思いもしていなかった。
その時――。
バンッ!!
突然激しい音を立てて扉が開かれ、ある人物が2人の前に現れた――。
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