紅椿の契り~花魁と剣士、許されぬ恋~

幼い頃、同じ家に拾われ、兄妹として育った二人には血の繋がりがなかった。
けれど、貧しさの果てに少女は遊郭へ売られ、少年は彼女を取り戻すためだけに刀を取った。

数年後。
華やかな花街で再会した彼女は、誰もが名を知る花魁となり、彼は藩に使い潰される末端の武士になっていた。

人前では「兄さま」「妹」と呼び合いながら、胸の奥ではとうにそんな言葉では収まりきらない想いを抱えている。
救いたい男と、救われてはいけないと笑う女。
彼女を身請けすれば彼の立場は潰れ、彼が正義を貫けば彼女の命が危うい。

これは、血の通わぬ兄妹が、兄妹ではいられなくなったその先で、それでも互いを手放せなかった恋の物語。
艶やかな花街の灯の下で、幸福より先に、痛みが恋になる。
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