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第2章 岡山県1

05 ヒエラルキー

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「おめぇら何見てんだ!あぁ?!」
絶賛土下座中の桐生君がクラスメイトに声を荒げた。
「こわっ…桐生さんってもしかして…アレな希少種?」
俺は土下座スタイルで荒ぶる桐生に完全にビビっていた。
だって、目の前2mぐらいの位置でお互い面と向かって土下座お見合いの最中だったから睨み上げてる桐生の顔が俺に向いたら蛇にでも睨まれてる感じと言うか熊にでも見られてる感じと言うか…

はて?…そこまででも無いか?

「なんでお前が俺の事を桐生さんとか呼んでんだよ…」
視線をなるべく俺に向けない様にしてる桐生さんがとっても小さな声で呟いたのが聞こえた。

「えっ?!あっ…桐生様?」
「だからなんでお前が…あの…桜井さんできれば…1回」
泣きそうな顔の桐生様が本当に泣きそうな感じの声で呟いたけど…なんで?
「桜井さんって…えっ?!俺の敬称がさんなの?なんで?!」
「スイヤセン!桜井様!!ゴン!」
桐生様が俺を桜井様って呼んで地面に頭を打ち付けた。
違う違う!そうじゃ、そうじゃなーく…って?…なんかこんなフレーズ聞いた事がある気がする…?
じゃなくて!さん付けで呼ばれる事が気に入らないって意味で言った訳ではないからね?!

桐生様が頭を床に打ち付けた音に俺は驚いた。…正直チビルかと思った。っていうか新たな頭突き攻撃の亜種みたいな何かかと思った…ドキドキ

「その…桜井様とか…えっと…その、とりあえず顔上げてもらって…できれば人の居ない場所で話でも?」
「そんな…人の居ない所に…今からっすか…」
あっ…顔が半分ぐらいしか見えないからなんとなくだけど…桐生様の顔、これたぶん絶望した人の顔だ…愕然って感じの顔してる。
映画とかで今から死ぬのを悟った人の顔が確かこんな感じだった気がする。

「桐生様って俳優とか目指したらよさそうだなぁ…」
「俳優っすか?…あーっと…チッ…その桜井様、もしよければ俺らがたむろってた所なんっすけどちょっとどうっすか?」
桐生様が周囲に視線を巡らせて小さく舌打ちして提案してきた。

「今から?えっ?でも…もう次の授業が始まる頃じゃ…?」
「あーそしたら…祥子、お前なんとかしとけ。あのセンコーなら俺の名前出せばいい。緑もいいな?」
「「ハイ…」」
「これで次の授業は俺も桜井様も出席してる事になります。どうぞ!ってお前ら!今の事誰にも言うんじゃねぇぞ!!もしどっかから漏れたらそいつは…わかってんな?!」

ガタ!ガタゴン!ゴトッ!
「「「「「「「「「「ハイィ~!!」」」」」」」」」
「「「「「「ハイ…」」」」」」
男どもが焦った感じに全員立ち上がり桐生様に向かって最敬礼で返事をした。そして女子が座ったまま小さな声で返事をしていた。

もしかして桐生様ってバンチョーとかソウチョーとかゾクチョー…なんか連続で言ったらちょっと虫っぽいけど、そんな絶滅危惧種?

とりあえず少しではあるが疲れが感じられていた俺は、ちょっとラッキー♪とか思いつつ桐生様に案内され、学校の敷地を出たすぐにある一軒の家に連れて行かれた。
「ここは俺らのチームが使ってた…って言うか桜井様が解散させた俺らの元チームが使ってた場所なんでもしよければ使ってください」
「家…って言うか廃墟かぁ…ってなんかすごいベッドがあるんだけど?」
壁がスキマだらけの廃墟なのに、なぜか、おフランス製ベッド?って感じのマットレスの高さが1mぐらいの所にあるキングサイズベッドがすごく綺麗な状態で部屋の真ん中に置いてあった。
「あぁ、ここは祥子と他にも何人かの女達にキレイにさせてっから…あいつらももしよければ好きに使ってください」
壁際に近付いて後ろに腕を組んで直立不動って感じになって目をつむって受け答えする桐生様。
「ねぇ、桐生様がさっきから言ってる桜井様っての…あれできればやめて欲しいなぁ~~って思ってたりするんだけど…」
「どう呼んだらいいか教えてください。ってぇか俺なんかをサマ付けて呼ぶのは止めてください。桐生って呼び捨ててください。なんならゴミでもクソでもなんでもイイッス」

ゴミとかクソって呼び方は他の人が居る場所でしたら俺の方にダメージが蓄積されそうな気がする。
「そしたらえーっと…桐生さん。でいいかな?さすがに君とかって感じはアレだし最初はちょっと節度を守ってる感じで…」
距離感がまだそこまで近くないんでこれは勘弁してもらうしかないだろう。

田中みたいに最初に会った日にお互いの勃起チンポを服…まぁ実際にはパンツか…パンツ越しとは言えど握りあったり出来てしまえばもう桐生ちゃん桜井ちゃんレベルで呼び合えるようになりそうだけど…
まぁこの話は自分にもダメージがあるので思い出すのもこれぐらいにしておくとしよう。

「俺なんかにさん付けももったいないんっスけど…まぁ俺2コ上っすから他の連中に呼び捨てしてる所を見られたら桜井様に面倒な感じになるのは分かります。それならさん付けで呼んで下さい。でも!人の居ない所ではゴミでもクソでもなんでもイイッスから!」

だからそれは俺の心にダメージが来るから…

「まぁではそういう事で…って言うか桐生さんって俺とあの後…どうなったの?俺あの後何も覚えてなかったんだけど」
「桜井様は何も覚えてなかったんっすか?あーそしたら…」
「そうだったね!俺の方の様も考えないといけなかったね!えーっと、俺の事も桜井くん…君はちょっとアレか?あーどしよ…さん付けで呼ばれるのはちょっとこう慣れてなくて恥ずかしいって言うか…ンー」
「あーそしたらチェリーとかセレッソとか特別なニックネームとかどうっすか?ゲスい奴らに名前を呼ばせたくない人とかがよくそんなのを使ってましたよ」
俺が悩んでいたら桐生さんが提案してくれた。
「ニックネームかぁ…チェリーってのは桜の…サクランボだっけ?そのさっき言ってたセレッソって何?」
「セレッソは確かラテン系?ってたかな?そんな言語の桜の事っす。チームの奴にそっち系にかぶれた奴が居たんで聞いた事があったんっス!」
チェリー…なんとなく童貞を思わせる呼び方だけど…でも俺ソフィーさんとのアレな姿を完全に見られてたって聞いたからそこまでダメージは無いかなぁ…セレッソとか呼ばれても自分が呼ばれてるって感じになるまですごく時間がかかりそうな気がする。
「あーそしたらチェリーでお願いします」
「了解っス!チェリーさん!あっ、外ではチェリーって呼ばせてもらいやスんで!安心してください!!!」
「あっハイ…」
なんで桐生さん達がそんな言葉を知ってたのか…まぁ童貞の事を話題にしてたとかなんだろうなぁ…
俺も英和辞典とかめくっていろんなえっちな単語を調べたクチだからなんとなく彼らがしてた事も少しは分かる気がする♡
ちょっとは仲良くなれそうかなぁ~♪


えっと…それで何の話をしてたんだっけ?


どうでもいい事に頭を使った感じでちょっと疲れを感じ始めた。なんとなく体が重たく感じてちょっと横になりたい。
「チェリーさんもしあれなら女何人か呼びますから休んでいきませんか?俺がガードしますんで何時間でも楽しんでもらって大丈夫っスよ」
さすが桐生様…桐生さんか、舎弟ムーブが板についてる。
たぶんそんなピラミッド構造でトップを取るまでにはずいぶんと大変な思いをしてきたんじゃないかな?って気がする。

「そしたら少しだけ休ませてもらうね。なんかすごく疲れた気がする…」

俺は全身が重たい感じがして目の前のベッドに横になる事しか考えられなくなっていた。
「ピッ…陽菜ひなか?美咲みさきと…あと誰か暇な女は?りんか…他は?…じゃぁ…しょうがねぇ。3人でいい、体の準備してすぐにこっちに来い。俺らの頭になったチェリーさんを紹介すっから。…あぁ、急げ」
意識が遠くなる前に桐生さんの声が遠くに聞こえた気がした。





チェリーさん…なんであの事を覚えてないって…ありえねぇって…あんなの…あいつあの時俺らが10人でボコってたのに…思い出したくねぇなぁ…

桐生はあの時…博之を車で拉致ってからの事を思い出していた。
博之に聞かれたらすぐに話せる様に。

「おい!そいつを剥け」
「おう!サトシ手伝え!」
サトシとヒロと呼ばれていた男たちが意識の無い博之の服を剝き始めた。
桐生はいつもの様に歯向かった奴を裸に剥いて釘付きバットと鉄パイプなどで嬲るつもりでいた。
「お前ら道具の用意しとけよ」
「任せろ」
「こっちも準備できてるぜぇw」
ミッチと呼ばれていた男がいつもの様にチャックを下げ、そこそこ太い勃起チンポをさらしてた。
「お前は男の尻でもいいって下品すぎっぞヒャヒャヘッヒャw」
「そいつの尻を掘るのはそいつが泣いて尻を自分で開いてからだ、少し待ってろ」
桐生とチームの連中はいつもの通り男が泣いて自分で尻を開いて犯して下さいと言い、仲間の男色気味な奴に犯される姿を見る気でニヤニヤと下卑た顔で服を剥かれていく博之を眺めていた。

「あーアー…ん…とりあえず声帯はまだ意識があったら無理か…腕は…こっちは何とかなるな。左手は…おっイイジャン♪やっと完全に入れ替わったか♪」

服を剥かれていた博之がされている事に一切気を払わずに自分だけしか居ない感じに独り言を話し始めた。
「なんだ?こいつもういかれちまってんじゃねぇの?桐生サン。こいつもうダメなんじゃないっすか?」
「あぁ?そんなん関係ねぇ。俺にあんな口きいた事を地獄を見せて後悔させてやんだよ。さっさと剥け」
「ヒョエ~可哀そうに~ヒヒヒヒ♪お前今日から毎日男に尻の穴を使ってもらえるようになるぜぇ~よかったなぁヒャハハハハハ!」
「あぁ?何言ってんだ?くせぇ口を閉じてろよ…ったく」
博之が眉間にしわを寄せながら自分の服を脱がせようとしてる…ナイフで切ろうとしている男の手を握った。

ゴキュッ

「ア゛アアァ~~~~!!!痛ってぇええええぇぇぇ!!」
「ふむとりあえずこんなものか…なんとかなりそうだな」
仲間の手に何かされた事は分かったが何をされたのか分からない桐生。
「おい!お前何もってる?!それを離せ!!お前ら囲め!!」
ちょっと折れた木製バッドや曲がった金属バット、更には釘が何本も打ち込まれた木製バットとか何かを殴って大きく曲がった黒っぽい鉄パイプなどを持った仲間が手を握られてる奴を除いて博之のぐるり周囲を取り囲んだ。

「持ってるものって何のことだ?」
博之が握っていた男の手を離すとその男は転げる様に周囲の仲間の後ろに逃げて行った。
「…何も持ってないのか?」
「なんも持ってねぇよ。って言うかさっきそいつが面白い事を言ってたな。俺の尻を男が使ってくれるって?」
「あぁ?…そうだな。そこのミッチがおまえの尻の穴を毎日使ってやるって楽しみにしてるぞ。ついでにそっちが好きな変態に伝手があるから毎日お前の尻の穴を買ってくれる奴を紹介してやるから喜べ」
「マジかよぉ…俺は女は何人も知ってるが男の相手は初めてだぞ?オイオイ大丈夫か?」
博之がニヤニヤしながら立ち上がり汚れた服の埃を払った。
「それは心配いらねぇよ。こいつがつしっかりとお前がメスイキ出来るまで穴を仕込んでくれっから。仕込み料は500万だ。それとこいつはかなりしつこいから痔の薬を多めに用意しとけよ」
桐生は少しの違和感を感じていたが聞かれた事に恐怖心を煽る形で答えた。

今までの奴らはこの人数と得物を見たらビビッていう通りになった…って言うか恐怖で顔を引きつらせてこれから自分がどんな目に遭うかを想像して絶望していた…

こいつはなんで…違和感の理由に気付きつつあった桐生だが、少しだけ遅かった。

「そうかぁ…俺の尻を楽しめる様に開発してくれるってか…フハハハハ…面白れぇじゃねぇか♡」
博之の顔が愉悦の表情に大きく歪む。


そして蹂躙が始まった。


…あいつ…チェリーさんはあっという間に…俺達全員を素手で再起不能にした…仲間の半分が病院に入院してる…
残った連中は何カ所も骨を折られて家から出られなくなってる…って言うかチェリーさんと会うのを怖がって家から出れなくなった。
俺も引き籠ってられたら…今からでもそうしたいが…クソ…
大里の野郎が退学ちらつかせてきてなかったらこんな事には…って駄目か、絶対にそう遠くない内にクラスで会ってたな…あの時もう俺は終わってたんだ…

チェリーさんが笑いながらギプスの付いた側の手で俺の首を持って…吊るされた時の恐怖は死ぬまで絶対に忘れねぇ…
首を持って吊るされて哂われながらもう片方の手で握りつぶされた腕と蹴り折られた足のあの痛み…もうあんな目に遭いたくねぇ…絶対に嫌だ…

あんな目に遭うぐらいなら俺は自分の尻を自分で用意してパンツを脱いで差し出す。それぐらい誰に見られていてもその場でできる。

俺がその後目を覚ましたらチェリーさんが3人の仲間に指示をして2台の車に動けない仲間を入れさせてる所だった。
そう言えばミッチは下半身を剥かれてたなぁ…確かあいつの尻の辺り…茶色い感じと赤黒い感じになってたけど…あいつもしかしたら犯られたのかなぁ…
ハァー…チェリーさんのアレのサイズが小さめだったらいいんだけどなぁ…ハァ…

桐生は今まで何人も嬲って笑って見てきた男達みたいに、自分の尻が博之に犯される事を想像して、とても怖がっていた。
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