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第7章 パーティー、そして
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「なんだか楽しそうだな、母さん」
「だって、なんだかわくわくするじゃない? 愛し合っているふたりを応援するのって」
宗太さんのお母さんはわたしを安心させるように微笑みかけてくれた。
「弟はちょっと融通が効かないところがあるのよ。誰に似たんだか。でもまあ、いざとなったらあなたたち、駆け落ちしちゃえばいいじゃない。家を守ることなんかより、愛し合っている人と一緒になるほうがどれほど幸せなことかしれないんだから」
「さすが、経験者の言葉は重いね」
宗太さんの言葉にみんな、思わず吹き出した。
その日の午後は、ドレスを発注していたメゾンへ向かった。
仮縫いが仕上がったと、連絡を受けていたのだ。
「ついでにウェディング・ドレスの発注もしとこうか」
運転席で宗太さんは軽やかな声で言った。
そうだ。あのときはウェディング・ドレスが眩しくて羨ましかったんだ。
でも、ふと不安がよぎる。
あまりにも事が早く進んでいくので、まだ心が追いついていかない。
「はい……」
わたしの声に惑いを感じたらしく、芹澤さんはハンドルを握っていない手でわたしの腕に軽く触れ、尋ねてきた。
「どうしたの? なんか浮かない口調だね」
「そんなことはないですけど、でも宗太さんと結婚できるなんて、まだ夢を見ているようで、まったく実感がわかなくて」
彼は声を立てて笑った。
「誰だってそう思うんじゃないかな。これから、ひとつひとつ準備をしていくうちに実感していくもんじゃない?」
「そうですよね。変なこと言って、ごめんなさい」
宗太さんの言うとおりかとも思う。
それでも、正体不明のもやもやは消えない。
マリッジ・ブルーには、ちょっと早すぎるような気がするけれど。
そうこうしているうちに、車はメゾンに到着した。
駐車場に車を停めても、宗太さんはすぐには降りようとしなかった。
わたしの肩を抱き寄せ、頬に優しく口づけた。
「エリカ、ぼくを信じて。きみを手離すはずがないだろう。どんなことがあってもエリカと一緒だよ」
「宗太さん……」
視線が絡みあう。
唇が触れ合いそうになって、宗太さんはあわてて目を逸らした。
「キスしたいけど……口紅、全部取れちゃいそうだからね」
そう言って、優しくハグしてくれた。
「だって、なんだかわくわくするじゃない? 愛し合っているふたりを応援するのって」
宗太さんのお母さんはわたしを安心させるように微笑みかけてくれた。
「弟はちょっと融通が効かないところがあるのよ。誰に似たんだか。でもまあ、いざとなったらあなたたち、駆け落ちしちゃえばいいじゃない。家を守ることなんかより、愛し合っている人と一緒になるほうがどれほど幸せなことかしれないんだから」
「さすが、経験者の言葉は重いね」
宗太さんの言葉にみんな、思わず吹き出した。
その日の午後は、ドレスを発注していたメゾンへ向かった。
仮縫いが仕上がったと、連絡を受けていたのだ。
「ついでにウェディング・ドレスの発注もしとこうか」
運転席で宗太さんは軽やかな声で言った。
そうだ。あのときはウェディング・ドレスが眩しくて羨ましかったんだ。
でも、ふと不安がよぎる。
あまりにも事が早く進んでいくので、まだ心が追いついていかない。
「はい……」
わたしの声に惑いを感じたらしく、芹澤さんはハンドルを握っていない手でわたしの腕に軽く触れ、尋ねてきた。
「どうしたの? なんか浮かない口調だね」
「そんなことはないですけど、でも宗太さんと結婚できるなんて、まだ夢を見ているようで、まったく実感がわかなくて」
彼は声を立てて笑った。
「誰だってそう思うんじゃないかな。これから、ひとつひとつ準備をしていくうちに実感していくもんじゃない?」
「そうですよね。変なこと言って、ごめんなさい」
宗太さんの言うとおりかとも思う。
それでも、正体不明のもやもやは消えない。
マリッジ・ブルーには、ちょっと早すぎるような気がするけれど。
そうこうしているうちに、車はメゾンに到着した。
駐車場に車を停めても、宗太さんはすぐには降りようとしなかった。
わたしの肩を抱き寄せ、頬に優しく口づけた。
「エリカ、ぼくを信じて。きみを手離すはずがないだろう。どんなことがあってもエリカと一緒だよ」
「宗太さん……」
視線が絡みあう。
唇が触れ合いそうになって、宗太さんはあわてて目を逸らした。
「キスしたいけど……口紅、全部取れちゃいそうだからね」
そう言って、優しくハグしてくれた。
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