紅に恋う

 一本松の真上から太陽が昇る秋の日に、ムラでは祭礼が行われていた。
 病床に伏す当代のムラの王である父、桂の王の代わりに琴を演奏することになった松の王は、半年前に兄を亡くした日のことを思い返していた。兄を救わなかったという罪の意識に苛まれながらも、松の王は自分を叱咤し、王として悠然と振舞おうとする。
 結婚、父の死、母との確執――
 舞人や楽人といった仲間、妻、ムラの民とのかかわりの中で、松の王はムラの王としてどう生きるのか。
 
24h.ポイント 0pt
0
小説 184,213 位 / 184,213件 歴史・時代 2,118 位 / 2,118件