この恋が終わる頃、私がいなければいいのにーYou, who I killed still love.
この熱を、永遠に喪う日が来ることを。
出会う前から知っている。
高校一年生、15歳の嘉世子は学校にただの1人の味方もいなかった。
体操服を隠され、悪口を囁かれても、病弱な母親に相談することなく耐えてきた嘉世子。いずれゆるやかに終わるかに思われたこの生活はしかし、母親が殺害されたことによって唐突に断ち切られた。
「たちの悪い姫宮候補もいたものだ。産んだ子供、それも娘を報告していなかっただなんて」
母の唯一の親戚を名乗った白髪の女は、そう言って嘉世子の腕を強く引いた。
「助かりたいなら自分で助かるんだね。」
連れられた先は、山奥の学園。
「恋をして恋をして、必ず相手を殺すんだ。そうしたら、いずれここから抜け出せるよ」
穏やかに微笑んで告げたのは、嘉世子を選んだ和梛津。
「君が僕に恋焦がれるほど、僕は傷つけられて死んでいく。僕が君に惹かれるほど、君は痛めつけられて死んでいくよ」
言葉を失った嘉世子に、和梛津は目を細めた。
「そういうルールなんだよ。僕たちは卑弥呼の末なんだから」
卑弥呼の末。学園の子らはみんなそうで、病弱な母もまた、古の女王の末裔だった。
「あなたに恋をしなければ、あなたは死なない?」
「死ぬよ? 君が僕に恋しなくても、僕は他の誰かと恋をして、そうして殺すか殺されるかだ。三ヶ月以内に恋できなければ、僕と君の関係はお終いだからね」
「絶対にどちらかが死ぬの?」
「死ぬさ。でも、死ぬまでの期間は調整できる。惹かれすぎなければいい。より愛された方が死ぬから負け、愛してしまった方は、相手を失うから感情論から見ると結局負けなんだから」
「誰も勝たない」
「恋情を持たなければいい、愛情を向けなければいい」
「できるの、そんなこと」
「できるさ、君と僕なら。ーー共犯者だ。死ぬまで、互いに恋するふりをしながら、お互いに何とも思っていなければいい」
「分かった、あなたに絶対恋しない」
「うん、僕も君には恋しない」
「「よろしくね、共犯者」」
けれどそれは、和梛津のついたとんでもない嘘だったーー。
出会う前から知っている。
高校一年生、15歳の嘉世子は学校にただの1人の味方もいなかった。
体操服を隠され、悪口を囁かれても、病弱な母親に相談することなく耐えてきた嘉世子。いずれゆるやかに終わるかに思われたこの生活はしかし、母親が殺害されたことによって唐突に断ち切られた。
「たちの悪い姫宮候補もいたものだ。産んだ子供、それも娘を報告していなかっただなんて」
母の唯一の親戚を名乗った白髪の女は、そう言って嘉世子の腕を強く引いた。
「助かりたいなら自分で助かるんだね。」
連れられた先は、山奥の学園。
「恋をして恋をして、必ず相手を殺すんだ。そうしたら、いずれここから抜け出せるよ」
穏やかに微笑んで告げたのは、嘉世子を選んだ和梛津。
「君が僕に恋焦がれるほど、僕は傷つけられて死んでいく。僕が君に惹かれるほど、君は痛めつけられて死んでいくよ」
言葉を失った嘉世子に、和梛津は目を細めた。
「そういうルールなんだよ。僕たちは卑弥呼の末なんだから」
卑弥呼の末。学園の子らはみんなそうで、病弱な母もまた、古の女王の末裔だった。
「あなたに恋をしなければ、あなたは死なない?」
「死ぬよ? 君が僕に恋しなくても、僕は他の誰かと恋をして、そうして殺すか殺されるかだ。三ヶ月以内に恋できなければ、僕と君の関係はお終いだからね」
「絶対にどちらかが死ぬの?」
「死ぬさ。でも、死ぬまでの期間は調整できる。惹かれすぎなければいい。より愛された方が死ぬから負け、愛してしまった方は、相手を失うから感情論から見ると結局負けなんだから」
「誰も勝たない」
「恋情を持たなければいい、愛情を向けなければいい」
「できるの、そんなこと」
「できるさ、君と僕なら。ーー共犯者だ。死ぬまで、互いに恋するふりをしながら、お互いに何とも思っていなければいい」
「分かった、あなたに絶対恋しない」
「うん、僕も君には恋しない」
「「よろしくね、共犯者」」
けれどそれは、和梛津のついたとんでもない嘘だったーー。
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。
【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します
「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
夫が運命の番と出会いました
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました
夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。
彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。
けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。
セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。
夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
ログインすると感想の投稿ができます。